2001 Fiscal Year Annual Research Report
大麦分級粉中アミノペプチダーゼの利用に向けての諸性質の解明
Project/Area Number |
13780092
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
|
Research Institution | Mukogawa Women's University |
Principal Investigator |
川口 真規子 武庫川女子大学, 生活環境学部, 助手 (10333220)
|
Keywords | アミノペプチダーゼ / 大麦 |
Research Abstract |
本研究は、大麦の付加価値を高め、その利用拡大を最終目的としている。そのために、大麦から得られたアミノペプチダーゼの応用に向けての情報の蓄積を意図している。 本年度は、以下の知見を得た。 1.大麦分級粉から得られたアミノペプチダーゼの諸性質を明らかにした。 1)大麦分級粉からのアミノペプチダーゼの精製 大麦アミノペプチダーゼの諸性質を明らかにするため、その前段階である精製を迅速に行い、且つ実験に必要な量を十分確保することが必要となる。科研費により購入したカラムおよびグラジェンターによって効率的な精製および大量調製が可能となり、本装置が以下の実験の効率的な遂行に寄与した。本酵素は精製後、以下の実験に供した 2)各種合成基質における本酵素の至適pHおよび基質親和性(Km)の検討 合成基質としてアミノアシル-p-ニトロアニリド、アミノアシル-β-ナフチルアミド計15種類を用い、本酵素の至適pHおよび基質親和性(Km)を求めた。その結果、本酵素はPhe-β-ナフチルアミドに対し最も強い親和性を示し、Km=0.084mMであった。Arg-およびLeu-p-ニトロアニリドに対しても強い親和性を示した(Km=0.10mM,0.18mM)。至適pHはGly-p-ニトロアニリドを除きいずれの基質でも6.5-7.5の範囲にあった。 3)本酵素に対する阻害剤の影響 ロイペプチン(チオール酵素阻害剤)、ペプスタチンA(アスパラギン酸プロテアーゼ阻害剤)、キモスタチン(キモトリプシン阻害剤)を用い、その影響を検討した。本酵素は230μMロイペプチン、ペプスタチンAによる阻害を受けず,キモスタチンにより阻害を受けた。 2.以上の結果を、研究成果として17th International Congress of Nutrition(2001年8月、ウィーンにて開催)で報告した。科研費による出張とし、発表の概要については出張報告書を作成し、提出した。
|