2002 Fiscal Year Annual Research Report
大麦分級粉中アミノペプチダーゼの利用に向けての諸性質の解明
Project/Area Number |
13780092
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Research Institution | Mukogawa Women's University |
Principal Investigator |
川口 真規子 武庫川女子大学, 生活環境学部, 助手 (10333220)
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Keywords | アミノペプチダーゼ / 大麦 |
Research Abstract |
本研究は、大麦の付加価値を高め、その利用拡大を最終目的としている。そのために、大麦から得られたアミノペプチダーゼの応用に向けての情報の蓄積を意図している。 本年度は、以下の知見を得た。 1.咋年度に引き続き、大麦分級粉から得られたアミノペプチダーゼの諸性質を明らかにした。 1)大麦分級粉からのアミノペプチダーゼの精製 大麦アミノペプチダーゼの諸性質を明らかにするため、その前段階である精製を迅速に行い、且つ実験に必要な量を十分確保することが必要となる。科研費により購入したカラムおよびグラジェンターによって効率的な精製および大量調製が可能となり、本装置が以下の実験の効率的な遂行に寄与した。本酵素は精製後、以下の実験に供した。 2)天然基質における本酵素の分解活性の検討 昨年度実施した合成基質での結果を基に、天然基質に対する分解活性を調べた。基質として、ウシ血清アルブミン、β-ラクトグロブリン、インスリン等のタンパク質、オリゴペプチド、環状ペプチドホルモン等を用いた。本酵素はタンパク質を分解しなかったが、環状ペプチドホルモンおよびアミノ酸3〜5個で構成されるペプチドをN末端側より分解した。例外的に、Leu-Pro-Phe-Phe-Aspについてはオリゴペプチダーゼとして働くことが示唆され、本酵素はカテプシンHに似た性質を持つ可能性が示された。 3)本酵素に対する阻害剤の影響 アミノペプチダーゼ阻害剤であるアマスタチンおよびベスタチンを用い、その影響を検討した。本酵素は235μMアマスタチンによる阻害を受けなかった。ベスタチンにより若干の阻害を受け、その阻害形式は拮抗型阻害であった。 2.以上の結果を、研究成果として2002年度農芸化学会大会および日本栄養・食糧学会大会で報告した。栄・食学会大会については科研費による出張とし、発表の概要については出張報告書を作成し、提出した。また、報文としてJournal of Food Biochemistryに投稿し、現在印刷中である。
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Research Products
(1 results)