2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13780093
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Nakamura Gakuen College |
Principal Investigator |
石井 利直 中村学園大学, 家政学部, 助手 (60312154)
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Keywords | パルス電界殺菌 / 冷殺菌 / 非熱殺菌 / 液状食品 / 飲料 / 高電界殺菌 |
Research Abstract |
酵母(Saccharomyces paradoxus IFO 0259)、乳酸菌(Lactobacillus acidophilus IFO 13951)をモデル微生物とし、酵母・乳酸菌共に0.04Mリン酸緩衝液(オレンジジュースとほぼ同程度の抵抗率)に懸濁したものをモデル微生物溶液とした。モデル微生物溶液を23、15、6.5kV/cmの各電界強度で処理し、生菌数を調べたところ、未処理区での生菌数が2.3E+6/mlであったの対し、6.5kV/cm処理区では、酵母で2.1E+5/ml(殺菌率1.0D)、乳酸菌で3.2E+4/ml(同1.7D)、15kV/cm処理区では、酵母で2.6E+4/ml(同1.9D)、乳酸菌で80/ml(同4.3D)と電界強度の上昇に伴い殺菌率も増加し、23kV/cm処理区では、酵母・乳酸菌ともに生菌数が0となった。つぎに、各処理区の菌体を脱水、エポン樹脂包埋後、ウラン染色し透過型電子顕微鏡で観察したところ、酵母の6.5kV/cm処理区で、細胞壁より細胞内容物が流出し死滅する様子を観察することが出来た。パルス電界殺菌の殺菌原理は、細胞膜に生じる電位差で細胞膜が穿孔、破壊し死滅することによると推察されてきたが本結果はこれを強く支持するものである。得られた知見に基づき、果汁飲料(オレンジ、リンゴ)に酵母、乳酸菌を10E+5〜10E+6cfu/mlで懸濁し、電界強度30kV/cm、パルス幅2μsでパルス電界処理したところ、懸濁菌を死滅させることが可能であった。
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