2001 Fiscal Year Annual Research Report
美術品輸送における基礎的研究-出土金属製品をモデルケースとして-
Project/Area Number |
13780101
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | (財)元興寺文化財研究所 |
Principal Investigator |
雨森 久晃 (財)元興寺文化財研究所, 保存科学センター, 研究員 (70250347)
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Keywords | 美術品輸送 / 出土金属製品 / 走行実験 |
Research Abstract |
本研究の13年度としては、以下のことを行い研究・実験を進めてきた。 先ず試験供試体の作製を行った。素材は鉄のフラットバーを選択し、試験供試体の寸法設定は出土金属製品の長尺遺物(太刀・剣等)を想定し、長さ1m・幅3.8cm・厚み6mmとした。試験供試体は、走行実験のため2種類の形状を選択し作製した。1つは現状の形状を使用し、データ測定を行った。もう1つは、長尺遺物の現状を考えフラットバーを分割、保存処理の際使用するエポキシ樹脂により接着を行い試験供試体とした。これらの試験供試体の他に来年度使用する脆弱化した(錆化)試験供試体を作製した。 これらの試験供試体を使用し、実際に走行実験を行い、基礎データの収集を行った。走行実験では、三種類の走行手段を選択し実施した。その三種類は、美術品専用車(トラックエアサスペンション仕様)・ワンボックス商用車・ワンボックス乗用車を使用することでより実際の輸送に近い条件を創出することと、今後博物館等で自ら輸送することをも考え条件設定を行った。試験供試体の設置条件を前・中・後方部に荷姿方向を進行方向・横方向に設定し、梱包状態と直置きの条件を作り、データの収集を行った。 その結果、梱包状況においてはウレタンフォームによる緩衝材の効果と考えられる強振動の緩和、微振動の軽減の効果を確認することが出来た。またブレーキ時に発生したと思われる前方への重力移動も梱包材による緩和が確認された。エポキシ樹脂により接着した試験供試体での実験結果は、想定していた通り接着部分に負荷が生じたことを確認した。 来年度は脆弱化させた供試体により走行実験を行い、基礎データの収集とともに13年度データを含め総合の考察を行っていきたい。
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