2002 Fiscal Year Annual Research Report
手続き記憶課題利用による認知リハビリテーションへの応用
Project/Area Number |
13780119
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
赤松 智子 京都大学, 医療技術短期大学部, 講師 (80283662)
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Keywords | 手続き記憶 / 認知リハビリテーション / 手続き記憶課題 / 教育工学 / 視覚運動追跡課題 / 手続き記憶評価 / アルツハイマー型痴呆 / パーキンソン病 |
Research Abstract |
本研究では,年齢や性に関係なく,また身体が不自由な人や痴呆を伴う人も取り組み可能であり,また,どのような場所でも実施可能な手続き記憶を用いた知覚運動学習課題を2種作成した.そのうち,ノート型パソコンを使用した視覚運動追跡課題は手続き記憶を用いた課題としての妥当性を認めた.この課題は,当初マウス操作によりゲーム感覚で取り組めるような設定にしていたが,ユニバーサル仕様にするため,ジョイスティクによる入力センサーを開発した.また,基本ソフトは,MS-DOS 5.OAの対応からWindows上で動作するよう変更し,被検者が実施した内容を記録でき,その際の動作解析を再現できるようなプログラムを作成した. 本年度は,中高年以上の健常者とアルツハイマー型痴呆患者,及びパーキンソン病患者に実施し,これら対象者の手続き記憶獲得の評価を行った.手続き記憶が成り立つメカニズムについて,ノート型パソコンに記録したデーター解析から検討し,手続き記憶を利用した認知リハビリテーションプログラムを作成した.中高年以上の健常者は,手続き記憶は保持されているが高齢になるにつれて緩やかに低下する勾配が見られた.パーキンソン病患者の場合は,手続き記憶獲得に障害が見られ,特に発病からの経過が長い者や高齢の場合は著明であった.臨床応用として,手続き記憶が保持されているといわれているアルツハイマー型痴呆患者に対して,作成した視覚運動追跡課題と認知リハビリテーショントレーニングシステムを組み合わせ,認知リハビリテーションプログラムを実施した.アルツハイマー型痴呆患者の中でも,リハビリテーション効果が見られた者と,ない者が存在した.この相違について分析し障害構造を確認していくこと,より適切で対象者の状態に応じた認知リハビリテーションプログラム開発していくことが今後の課題である.
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Research Products
(1 results)
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[Publications] 赤松智子, 武地 一, 中園正吾, 元村直靖: "アルツハイマー型痴呆者に対する「ぽんぽんらんど」使用経験"第18回リハ工学カンファレンス講演論文集(2003). 18.Suppl. (2003)