実世界を対象としたビジュアルなプログラミング言語の利用性向上

2001 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 13780194
• Research Category: Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
• Research Institution: University of Tsukuba
• Principal Investigator: 志築 文太郎 筑波大学, 電子・情報工学系, 助手 (20323280)
• Keywords: ビジュアルプログラミング / 生成系 / バネモデル / グラフ描画 / 携帯電話 / 携帯情報端末 / 遠隔操作システム / VNC

Research Abstract

実世界を対象としたビジュアルなプログラミング言語の利用性向上を目的として、平成13年度では以下の3項目の研究を行った。
1.ビジュアルなシステムの開発基盤に関する研究
ビジュアルプログラミング言語が動作するシステムを開発するための、記述方式に関する改良を行った。これまでは、ビジュアルなプログラミング言語の文法記述を他の記述から独立して行っており、開発効率を低下させる一因となっていた。これに対して、これらの記述を統合して行い、その統合的な記述からビジュアルシステムを生成するための方式を開発した。
2.ビジュアルプログラミングで用いる表示方式に関する研究
グラフを描くことによってプログラム作成を行う手法であるビジュアルプログラミングには、グラフを高速かつ整った形状に整形するアルゴリズムが不可欠である。これに関連して、既存の整形アルゴリズムであるSpring Modeling Algorithmを改良し、より高速に、比較的に見やすい形状を得るアルゴリズム「Dynamic Parameter Spring Modeling Algorithm」を開発した。
3.実世界でビジュアルシステムを運用するための携帯電話向けシステムに関する研究
実世界で用いられる計算機(携帯情報端末や携帯電話など)では、計算能力や記憶容量に制約があるために、ビジュアルシステムを単体で動作させることが難しい。この問題に対して、Virtual Network Computing(VNC)と呼ばれる既存の汎用遠隔アクセスシステムを携帯電話から制御できるようにする「携帯版VNCシステム」を構築した。このシステムよって、携帯電話から、ネットワークを経由して種々の計算機システムの画面(デスクトップ)にアクセスし、制御することが可能となった。すなわち、十分な計算能力や記憶容量を有する計算機でビジュアルシステムを動作させ、携帯電話からこれらを用いることが可能である。

Research Products

• [Publications] Xuejun Liu et al.: "Dynamic Parameter Spring Modeling Algorithm for Graph Drawing"Proceedings of the International Symposium on Future Software Technology(ISFST2001). 52-57 (2001)
• [Publications] Kazuhiro Iizuka et al.: "Describing a Drawing Editor by Using Constraint Multiset Grammars"Proceedings of the International Symposium on Future Software Technology(ISFST2001). 119-124 (2001)
• [Publications] 中須正人 他: "携帯電話版VNCシステム"インタラクション2002. (発表予定). (2002)
• [Publications] 飯塚和久 他: "図形言語処理システムにおける図形エディタと空間解析器の統合"日本ソフトウェア科学会第18回大会. 5 (2001)