2002 Fiscal Year Annual Research Report
ネットワークフロー問題に対する高速かつ実用的アルゴリズムに関する研究
Project/Area Number |
13780229
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
牧野 和久 大阪大学, 基礎工学研究科, 助教授 (60294162)
|
Keywords | 施設配置問題 / モノポリー / マッチング / 仮説推論 / 多項式時間アルゴリズム |
Research Abstract |
本研究では,古典的な組合せ最適化問題であるネットワークフロー問題に関連する様々な離散構造をもつ問題を考察した。当初の計画では、ネットワークフロー問題自体のアルゴリズム開発を目的としたが、結果としては、本研究では.、フロー問題に関連する施設配置問題、モノポリー問題、マッチング問題、ならびに、そのとき得られた離散的な知見を利用した、人工知能分野の推論問題等に大きな成果を得た。 本研究の最終年度どして最も大きな成果は、仮説列挙問題に対する多項式時間アルゴリズムの開発である。この仮説列挙問題は、知識ベースとしてのホーン理論と観測事象が与えられたとき、知識ベースを用いてその事象を説明する仮説を列挙するという問題である。この問題は、人工知能分野の古典的な推論問題であり、古くから盛んに研究されてきたが、現在に至るまで効率的に(多項式時間で)解けるかどうか未解決のまま残されていた。1990年にSelmanとLevesqueによって否定的に(すなわち、対応する決定問題がNP困難であると)予想されるほど、多項式時間アルゴリズムを開発することは困難とされていた。 本年度に、ウイーン工科大学のEiter教授との共同研究でこの否定的な予想を覆し、初めての多項式時間アルゴリズムを開発した。この成果は、他の推論問題にも広く適用可能であり、人工知能における知識表現・推論分野の進歩に大きく貢献したとして高く評価されている。このことは、アメリカ人工知能学会(American Association for Artificial Intelligence)が主催する会議AAAI National Conference on Artificial Intelligence 2002(AAAI-02)からOutstanding Paper Awardを授与されたことからも分かる。
|
Research Products
(7 results)
-
[Publications] T.Eiter, K.Makino: "On Computing all Abductive Explanations"Proceedings of AAAI-2002. 18. 62-67 (2002)
-
[Publications] K.Makino, Y.Uno, T.Ibaraki: "Minimum edge ranking spanning trees of threshold graphs"Springer Lecture Notes in Computer Science (Proceedings of ISAAC 2002). 2518. 428-440 (2002)
-
[Publications] T.Eiter, T.Ibaraki, K.Makino: "Decision lists and related Boolean functions"Theoretical Computer Science. 270. 493-524 (2002)
-
[Publications] K.Makino: "A linear time algorithm for recognizing regular Boolean functions"Journal of Algorithms. 43. 155-176 (2002)
-
[Publications] K.Arata, S.Iwata, K.Makino.S.Fujishige: "Locating sources to meet flow demands in undirected networks"Journal of Algorithms. 42. 54-68 (2002)
-
[Publications] K.Makino, M.Yamashita, T.Kameda: "Max-and min-neighborhood monopolies"Algorithmica. 34. 240-260 (2002)
-
[Publications] K.Makino, T.Takabatake, S.Fujishige: "A Simple Matching Algorithm for Regular Bipartite Graphs"Information Processing Letters. 84. 189-193 (2002)