2002 Fiscal Year Annual Research Report
PCクラスタによる高品質CG画像生成と高速三次元形状復元
Project/Area Number |
13780235
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
上嶋 明 神戸大学, 自然科学研究科, 助手 (30311781)
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Keywords | PCクラスタ / 三次元形状復元 / スペースカービング法 / ラジオシティ法 / 並列処理 / コンピュータグラフィックス |
Research Abstract |
本研究では市販のパーソナルコンピュータを高速ネットワークで複数台接続するPCクラスタに注目し,大規模問題であるラジオシティ法による画像生成とスペースカービング法による三次元形状復元を対象として,PCクラスタ上で効率の良い並列処理の実現を試みた. 1 SMP型パーソナルコンピュータ(Pentium III 1GHz×2)4台をギガビットネットワークにより接続し,PCクラスタを構築した.OSとしてLinux,通信ライブラリとしてMPIの実装であるMPICHを導入し,PCクラスタシステムを構築した. 2 各種ベンチマークプログラムにより構築したPCクラスタの性能評価を行った.ギガビットネットワーク1000BASE-Tの通信速度は約300Mbpsであり,これは100BASE-TXの約5倍であった. 3 分散メモリ型並列計算機AP1000+上での並列化アルゴリズムを基に,MPIを用いてラジオシティ法の並列化を進めた. 4 複数台のカメラによるスペースカービング法を用いた形状復元と,1台の前進するカメラによる前方空間の形状復元を試みた.いずれの場合も,正確な三次元形状復元を達成するには,現在のアルゴリズムをさらに改善する必要があることがわかった. 5 クラスタシステムソフトウェアであるSCoreを導入し,PCクラスタ上でOpenMPによる並列プログラミングを可能にした.OpenMPで並列プログラムを記述した場合,各PC間で共有する変数の転送が発生するため並列化効率が低下する.Omni OpenMPコンパイラに用意されているデータマッピング用のディレクティブを使用して,各プロセッサで必要となるデータをそのマシンのローカルメモリ上に配置することを明示し,この効率低下を軽減できた. 以上,PCクラスタによる並列処理の結果,CPUを8台用いて並列実行した場合に1台の場合の約4倍の速度向上が達成できることを確認した.
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