2001 Fiscal Year Annual Research Report
送受信コストの削減による低コスト通信機構とその応用の開発
Project/Area Number |
13780238
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Wakayama University |
Principal Investigator |
齋藤 彰一 和歌山大学, システム工学部, 助手 (70304186)
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Keywords | 分散共有メモリ / データグラム通信 / 高信頼性通信 / 到達保証IP / remot read / write / PCクラスタ / ギガビットイーサネット |
Research Abstract |
申請者が開発したWind通信機構を、ギガビットイーサネットを用いて接続したPCクラスタに適応し、並列アプリケションを動作させるための基礎実験がほぼ完了した。この成果を、私の研究グループが開発している分散共有メモリシステムFagusに適応した。その基礎性能評価について、論文1と2において発表を行った。さらに、より具体的な応用への適応として、論文4において、ゲノム情報学におけるホモロジー解析に応用した結果を発表した。 本通信機構の成果としては、申請時に提案した低コスト受信機構に加えて、データグラム通信による同期通信と非同期通信の切り替え機構と到達保証機構を備えた、通信プロトコルとして実装した。結果として、到達保証を行う本通信機構と到達保証のない既存のUDPを比較して、同程度のスループットを得た。また、同期非同期をユーザが任意のパケットで指定できる点において、従来のプロトコルよりも優れていると言える。本年度中に約7割ほどの実装を完了させた。なお、現時点における基礎性能評価について論文3で発表した。 マルチメディアアプリケーションヘの応用については、本年度はその準備を行った。本通信機構はLinuxカーネル内部にて送受信を行う機構であるために、マルチメディアアプリケーションに適応するためには、カメラなどの入出力機器の制御をカーネルレベルで行う必要がある。本年度は特にこれら機器(IEEE1394とUSB)について、その構造を調査した。また、これらの機器を用いた既存のアプリケーションプログラムの解析を開始した。本応用については、現時点では準備中であるために論文発表などは、次年度に行う計画である。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Shoichi SAITO, Satoshi YOKOTE, Tetsutaro UEHARA, Yoshitoshi KUNIEDA: "The Implementation of a Compiler Controlled Software Distributed Shared Memory System "Fagus" as a Runtime Support System for Automatic Parallelizing Compilers"Proc. of Int. Conf. on Parallel and Distributed Processing Techniques and Applications(PDPTA'2001). Vol.III. 1186-1192 (2001)
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[Publications] 横手聡, 林 章人, 齋藤彰一, 上原哲太郎, 國枝義敏: "高速通信ライブラリWindを用いたソフトウェア分散共有メモリシステムFagusの性能評価"情報処理学会研究会報告2001-OS-88. Vol.2001, No.78. 35-42 (2001)
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[Publications] 林 章人, 横手聡, 齋藤彰一, 上原哲太郎, 國枝義敏: "ソフトウェアDSMの高速化を目的とした通信プロトコルWindの設計と実装"情報処理学会研究会報告2002-OS-89. Vol.2002, No.13. 33-40 (2002)
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[Publications] 奥野一矢, 横手聡, 齋藤彰一, 上原哲太郎, 國枝義敏, 福田晃: "分散共有メモリシステムにおけるWaveFront法を用いたタンパク質のホモロジー解析の並列化"情報処理学会研究会報告2002-OS-89. Vol.2002, No.13. 63-70 (2002)