2002 Fiscal Year Annual Research Report
グラフの構造的特徴と効率の良い並列アルゴリズムに関する研究
Project/Area Number |
13780242
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
中山 慎一 徳島大学, 総合科学部, 講師 (50284279)
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Keywords | アルゴリズム / 計算量 / グラフ理論 / ランキング問題 / 外平面グラフ |
Research Abstract |
本年度は,以下に示すネットワーク上におけるデータ収集問題を考えた.ネットワーク上において,各サイトはデータを持っており,その各データをすべてある一つのサイトに収集する必要がある.データ受信を行っているサイトは並列に送られてくるデータを同時に収集可能であるが,そのデータ収集を行っているサイトは同時にデータ送信はできない.この条件のもと,各サイトの持つデータをある一つのサイトに最小何時間でデータ収集可能であるか? 本年度の研究ではまず最初に,このデータ収集時間が,グラフ理論での最小節点ランキング全域木問題を用いて定式化できることを示した.最小節点ランキング全域木問題とは,既に知られている最小節点ランキング問題を拡張した問題である.最小節点ランキングとは以下のように定義される.まず最初に準備として,グラフGのt-節点ランキングを定義する必要がある.写像r : V→{1,2,…,t}で,v≠wの節点ランキングがr(v)=r(w)ならば,vとwを結ぶいかなる路上にもr(x)>r(v)であるような節点xが必ず存在する.r(v)の値を節点vのランク,または,ラベルと呼ぶ.Gのt-節点ランキングの中で,節点の最大ランクtが最も小さくなるようなランキングをグラフGの最小節点ランキングといい,_X(G)で表す.最小節点ランキング問題とは,与えられたグラフGの最小節点ランキング_X(G)を求める問題である.更に,最小節点ランキング全域木問題とは,グラフGにおいて,節点ランキングが最小となる全域木Tを求める問題である. 本研究ではグラフを区間グラフというクラスに着目し,区間グラフの構造的特徴を捉え,区間グラフ上における最小節点ランキング全域木問題を解く多項式時間アルゴリズムを示した.また,提案した多項式逐次アルゴリズムは動的計画法を用いており,このアルゴリズムを基に容易に効率の良い並列アルゴリズムが構築可能であることを示した.
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Research Products
(3 results)
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[Publications] S.NAKAYAMA, S.MASUYAMA: "An efficient solution for a subclass of a kind of data merging problem"Proceedings of the Scheduling Symposium 2002. 1. 170-175 (2002)
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[Publications] S.NAKAYAMA, S.MASUYAMA: "An O(n^3) time algorithm for obtaining the minimum vertex ranking spanning tree on interval graphs"The 3rd Hungarian-Japanese Symposium on Discrete Mathmatics and Its Applications. 1. 283-292 (2003)
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[Publications] S.NAKAYAMA, S.MASUYAMA: "An algorithm for solving the minimum vertex ranking spanning tree problem on interval graphs"IEICE Transactions on Fundamentals of Electronics, Communications and Computer Sciences. (掲載決定). (2003)