2001 Fiscal Year Annual Research Report
ファジィ論理を用いた高次脳機能解析支援システムの開発
Project/Area Number |
13780252
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Himeji Institute of Technology |
Principal Investigator |
小橋 昌司 姫路工業大学, 工学部, 助手 (00332966)
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Keywords | 高次脳機能 / 計算機解析 / ファジィ論理 / 側脳室 / 体積測定 / 近赤外分光法 / fMRI / ヘモダイナミクス |
Research Abstract |
本研究では、(1)頭部MR画像からの側脳室の自動抽出法の開発、(2)高次脳機能測定用近赤外分光装置(NIRS)で測定した時系列データを用いた脳機能状態の推定および言語優位半球判定法の開発、(3)fMRIを用いた新しいヘモダイナミクス反応の解析法の開発を行った。 (1)側脳室の容積および立体形状の把握は脳疾患の診断や、根拠に基づく医療(EBM ; Evidenced Based Medicine)やCARS(Computer Assisted Radiology and Surgery)にきわめて重要である。頭部MR画像からの側脳室の自動抽出法の開発においては、専門家の知識を医用画像処理に導入するために、関心領域の場所や形状を特定するファジィ論理を用いたFuzzy Shape Detective Algorithmを提案した。本提案法を用いることで側脳室領域の精度約98%での自動抽出が可能となり、統計学的な高次脳機能解析研究に高く寄与した。 (2)NIRS装置は簡便にヒト脳機能を測定できることから、臨床研究者からNIRS装置の臨床への応用が高く期待されている。本研究ではその一例として、NIRS装置で得られた脳表皮ヘモグロビン時系列濃度変化を対象に、ファジィ論理を用いた脳機能状態の推定法と、言語の優位半球判定法を提案した。脳機能状態推定法を用いることでヒトの脳機能の状態遷移が検出できる可能性を示した。また、提案した言語優位性半球判定法は判定結果のばらつきが少ない事が実験より示されており、今後臨床研究への応用が高く期待できる。 (3)Event related fMRI法で測定した時系列データの新しい解析法としてwavelet変換を用いた手法を提案した。本手法を適用することで、脳賦活場所の特定と、本手法独自の機能であるヘモダイナミクス反応(HR; Hemodynamic Response)の遅延時間(HR delay)の測定が行える。本提案手法を用いることで、補足運動野と運動野のHR delayに有意に差があることが始めて明らかとなった。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 小橋昌司, 喜田村祐里, 畑 豊, 柳田敏雄: "クラスタリングを用いた近赤外計測装置による脳機能計測データの解析"医用電子と生体工学. 第39巻特別号. 505 (2001)
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[Publications] S.Kobashi, Y.Hata, Y.T.Kitamura, Y.Hata, T., Hayakata, T.Yanagida: "Brain State Recognition Using Fuzzy C-Means (FOM) Clustering with Near Infrared Spectroscopy (NIRS),"Lecture Note in Computer Science, International Conference on Computational Intelligence. LNCS2206. 124-136 (2001)
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[Publications] S.Kobashi, T.Takae, Y.T.Kitamura, Y.Hata, T.Yanagida: "Fuzzy Medical Image Processing for Segmenting the Lateral Ventricles from MR Images"Proc. of IEEE 2001 Int. Conf. on Image Processing. 1095-1098 (2001)
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[Publications] 小橋昌司, 畑豊: "頭部MR画像からの側脳室抽出のためのファジィ形状制約アルゴリズムの提案"第10回日本ファジィ学会北信越支部シンポジウム. 25-28 (2001)
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[Publications] T.Zui, S.Kobashi, Y.T.Kitamura, Y.Hata, T.Yanagida: "Data-driven Analysis of Hemodynamic Response Delay in Event-related fMRI Using Wavelet Transform"IEEE Workshop on Mathematical Methods in Biomedical Image Analysis. 113-120 (2001)
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[Publications] 頭井拓朗, 小橋昌司, 喜田村祐里, 畑 豊, 柳田敏雄: "Event-related fMRIを用いたヘモダイナミクス解析法"電子情報通信学会技術研究報告,医用画像. 101. 31-36 (2002)