2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13780272
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
伊藤 毅志 電気通信大学, 電気通信学部, 助手 (40262373)
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Keywords | 将棋 / 学習支援 / 自己説明フィードバック / 発話プロトコル |
Research Abstract |
本年度は、プレーヤーが行う感想戦の心理学的データの獲得に専念した。具体的には、各棋力の被験者を集め、多くの対局実験と感想戦の発話プロトコルデータを収集した。その結果、感想戦機能を持たせたシステム構築のために必要であると思われる機能を以下の4つにまとめることができた。 (1)プレーヤー(対局者)と同等、もしくは、それ以上の棋力を有すること (2)プレーヤーが指摘した局面を、再現して変化を協調的に読む機能 (3)パートナーとして、自分の思考過程(特に局面評価)を表明する機能 (4)直感的な学習者の表現を理解したり、具体的な局面や指し手を直感的に表現したりする機能 ここまでの結果は、研究会、学会の全国大会などで発表した。 また、自分が指導者になって、将棋の学習希望者に対して感想戦を利用した学習方法で指導を行う教育実践活動も行った。学習支援の方法としては、感想戦を通じて自発的な学習意欲を高める指導方法として「自己説明フィードバック」を提案した。自己説明フィードバックとは、自分が行った自己説明を記録して、学習中にいつでも読み返して変更できる学習スペースを作ることで、学習者のメタ認知を促進し、知識の定着を図る学習方法である。教育実践活動を通じて、学習者が知識を体系的に学習していく過程が観察され、この指導方法が有効に働いていることが示された。この成果に関しては、論文にまとめ、現在投稿中である。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 伊藤毅志他: "棋力の違いによる将棋プレーヤの認知過程の比較"日本認知科学会第18回大会論文集. 154-155 (2001)
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[Publications] 伊藤毅志: "将棋の感想戦に見られる探索の変化過程〜negative searchからpositive searchへ〜"情報処理学会ゲーム情報学研究会. 5-7. 47-54 (2001)
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[Publications] Takeshi Ito, et al.: "The Use of Memory and Causal Chunking in the Game of Shogi"ICCS2001. 154-155 (2001)
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[Publications] 伊藤毅志他: "空間的チャンクから因果的チャンクへ"Game Programing Workshop 2001. 132-139 (2001)
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[Publications] 伊藤毅志他: "将棋プレーヤーの棋力の違いによる読みの広さと深さ"情報処理学会ゲーム情報学研究会. (予定). (2002)