2001 Fiscal Year Annual Research Report
協調学習のための知識蓄積型Web教材システムの開発と実験
Project/Area Number |
13780306
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
稲葉 光行 立命館大学, 政策科学部, 助教授 (80309096)
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Keywords | Collaborative Learning / CSCL / WBT / Critical Thinking |
Research Abstract |
本研究では、教師と学生の双方を、共に学ぶコミュニティの構成員と捉え、すべての構成員がネット上で傍調学習を行う「知識蓄積型Web教材システム」の実現を目指している。本研究ではまた、構成員同士の対話パタンに対して制約を与えることで、ネット上の会話における秩序維持や、構成員の批判的思考能力を向上させるシステムの実現を目指している。2年間の研究期間の初年度として、本年度は以下の3点の成果が得られた。 1)蓄積型Web教材システムの開発 本年度第1期では、構成員が質問や意見を追記しながら対話的に学習を進めるWebシステムの開発を行った。実装には、PostgresQL、PHP、JavaScriptなどを用いた。また、対話をグラフ構造で表現する機能や、ネットワーク分析によって自己の貢献度を認識できる仕組みを、Java言語を用いて実装した。 2)蓄積型Webコンテンツの構築: 第2期では、本研究代表者が担当する2つの講義用コンテンツを構築した。講義A(受講者約80名の専門科目)では、対話パタンとして、構成員同士が比較的自由に知識交換を行う「ブレインストーミング型」を用意した。講義B(受講者約200名の教養科目)の対話パタンとしては、発言における論理性や自己反省の規点を重視した「批判的思考型」を用意した。 3)第1次適用実験と評価: 第3期では、上記の2講義において適用実験を行った。両講義とも、最終講義日にアンケート調査を行った。結果として、約60%から70%の学生が、対話の活性化、理解度の向上、議論参加への動機付けなどについて、本システム導入による効果があったと回答した。 次年度の適用実験では、本年度の成果を元に、システムと対話パタンの改良を行った上で、CCTDI(批判的思考性テスト)及びCCTST(批判的思考スキルテスト)を使って、批判的思考能力の向上に対する本システムの有効性を検証する予定である。
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