2001 Fiscal Year Annual Research Report
カメラの回転で生じる視差による奥行き計測を利用したステレオビジョンシステム
Project/Area Number |
13780324
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
工藤 博章 名古屋大学, 情報メディア教育センター, 助教授 (70283421)
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Keywords | 視差 / 奥行き計測 / ステレオビジョン / 回転 / 運動視差 / motton parallax / オクルージョン / ステレオ対応 |
Research Abstract |
本研究では,単眼カメラの微小回転時の運動視差による奥行き計測システムを2台組み合わせて,単眼での奥行き計測を利用したステレオビジョンシステムの構築を行い,その利点について検討を進めた. 本年度では,これまでに行ってきた単眼カメラの微小回転時の運動視差による奥行き計測システムのステレオビジョンシステム化を行った. 単眼カメラによる奥行き計測を利用する上で,計測可能範囲の違いに着目した.単眼での奥行き計測は,観察対象が近距離にある場合に良好に機能する.一方,ステレオビジョンカメラシステムでは,近距離の対象は,二つのカメラの映像の間で見え方が著しく異なり,むしろ比較的遠距離(中距離)の奥行き計測に適している.すなわち,補完しあう機能であることがわかる.したがって,機能を組み合わせることにより,近距離から中距離の奥行き計測が可能となる.次に,従来のステレオビジョンシステムの問題に,オクルージョンがある.すなわち,近い位置の物体が遠方の位置の物体を隠すことであり,ステレオ対応探索時に誤対応が生じる可能性がある.しかしながら,オクルージョンが生じている際に,近距離に位置する物体が単眼で計測できる範囲に位置する際には,この物体のみを抽出することが可能となり,ステレオ対応候補領域を制限することが可能となる. これらの利点について検証実験を行ったところ,近距離から中距離の間での奥行き計測ならびにオクルージョン時の奥行き計測において,良好な結果が得られた. しかしながら,本システムは,ステレオビジョンシステムの基本的な構成の実現は行われているが,アクティブステレオビジョンシステムとしての計画的な視線移動については,未実装であり,今後の課題としてあげられる.
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