高齢者を対象としたパーソナル・ナビゲーション・システムの試作開発

2001 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 13780326
• Research Category: Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
• Research Institution: Shiga University
• Principal Investigator: 渡邉 凡夫 滋賀大学, 経済学部, 助教授 (80240498)
• Keywords: ナビゲーション・システム / モバイル端末 / 衛星画像道路データ / エージェント通信 / GPS

Research Abstract

本研究の目的はヒューマン・インターフェースを重視した、高齢者や障害者を対象にした道案内、つまりナビゲーション・システムの試作設計であり、ユーザーが携帯するモバイル端末とデータを保持するサーバ間をエージェントでのリアルタイム通信の実装を目標としている。そして今年度の研究助成金の主たる使用内訳は(1)ナビゲーション基盤となるイコノス衛生画像、(2)ナビゲーションシステムと道路データ保存用途のサーバ機、(3)インターフェース性能判定を含めたモバイル端末とGPSレーダー購入である。年度目的は以下の項目であった。
(1)道路データの収集とナビゲーション用デジタル・データへの加工作業
(2)ユーザーへの問合わせや歩行履歴を基にした、カスタマイズ機能の構築作業
(3)高速な経路探索アルゴリズムの技術開発
(4)サーバーと端末間のプロトコル(java言語によるエージェント通信技術)の検討
以下に各項目の達成状況を記す。
(1)衛星画像からの道路データは気候状況に左右されるため、鮮明画像の収集を目的に冬期撮影画像を購入した。よって現段階ではナビゲーション・システムに画像データベースとして当該データ管理機構を設計した段階である。
(2)GPSレーダー2機とモバイル端末を用いて、ユーザー行動履歴採取システムのコア部分の設計をほぼ完了した。また、被験者による実験を実施し、その歩行履歴からデータマイニング手法によるカスタマイズ機能を構築し、そのパフォーマンスの評価中である。
(3)従来道路接続情報のみから経路探索を実施していたが、更に目印としてランドマーク(建築物等)を条件付加したアルゴリズムを考案した。この条件付加により残念ながら高速化は難課題となり、改良中である。
(4)経路探索アルゴリズムとモバイル端末側の開発に重点を置きすぎ、サーバとの通信技術はいまだ検討中。
現在経路探索部分に関する評価はかなり良好であり、ヒューマン・フレンドリなものといえる。本試作システムをwebページ上に掲載の準備中である。オープンな環境で一般からの評価を得ることが目的である。

Research Products

• [Publications] Naoto Mukai, Tsuneo Watanabe, Naohiro Ishii: "Customizable Routing Algorithm Based on Geographical Recognition"Software Engineering, Artificial Intelligence, Networking & Parallel/Distributed Computing SNPD'01. 1巻. 648-656 (2001)
• [Publications] 鬼頭昭成, 向直人, 渡辺凡夫, 石井直宏: "地理認知インターフェースとルーティングアルゴリズムの研究"電気関係学会東海支部連合大会講演論文集平成13年度. 1巻. 574 (2001)
• [Publications] 向直人, 渡辺凡夫, 石井直宏: "数値地図からのポリゴン形状に基づく道路ネットワークの生成"電気関係学会東海支部連合大会講演論文集平成13年度. 1巻. 722 (2001)
• [Publications] Naoto Mukai, Tsuneo Watanabe, Naohiro Ishii: "Customizable Routing Algorithm Based on Geographical Recognition for Handicapped Person's Navigation"Journal of Intelligent Information SystemsSpecial Issue:Intelligent information systems to aid the handicapped.