2001 Fiscal Year Annual Research Report
最適化モデルとシミュレーション・モデルの統合環境の構築
Project/Area Number |
13780347
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Hokkaido Information University |
Principal Investigator |
向原 強 北海道情報大学, 経営情報学部, 講師 (00322793)
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Keywords | シュミレーション最適化 / APS / モデル / ソルバー独立 / GERM |
Research Abstract |
本年度は、「シミュレーション最適化」に関する、文献およびソフトウェアのサーベイを行った。 第一に、代表的なシミュレーション言語であるARENAと最適化パッケージのOptQuestを購入し、その性能を評価した。近年このARENAに限らず、様々なシミュレーション言語に最適化パッケージがアドオンされている。(Law and Kelton(2000)参照)。研究者は、その評価のために製造ライン設計問題(Law and McComas(2000))を例題として採用した。これは代替案選択の観点による製造ラインの設計に関しては「最適化モデル」であり、特定の代替案の評価に関しては、「離散型シミュレーション・モデル」を必要とする実用性の高い問題である。代替案は81,000程度の最適化問題としては小規模の問題に対して比較的よい解を得ることが確認できた。その一方で、シミュレーション言語としての表現力の限界や、単一の汎用解法による最適化の難しさも再認識する結果となった。これは計算機性能が向上しても改善は難しいと考えられる。実用性の高い問題の表現力を向上させる一方で、モデルによる最適な最適化ソルバー選択機能が必要と考えられる(Boesel, Bowden, Glover, Kelly, and Westwig(2001))。 第二に、TOCの観点からAPS(Advanced Planning and Scheduling)パッケージについて検討した。これは生産スケジューリングに関するパッケージであるが、上記のような生産システムの代替案を評価することにも利用可能である。APSにおける代替案の評価プロセスは(広義の)シミュレーションと考えてもよい。APSパッケージでは、通常、代替案を構築するために「(単一の)ディスパッチング・ルール」を採用する。しかし、ディスパッチング・ルールは特別な事例を除いて最適性は保証されず、従って、このアプローチに基づいた生産ラインの評価は不十分と考えられる。APSの分野でも効果的な最適化手法の適用が求められている。(西岡(1999))。 これらのサーベイから、シミュレーションを代替案の評価と選択の双方を管理できるモデル化環境の重要性が分かった。これらの問題に対し、筆者たちの提案するGERMとモデル/ソルバーに基づくモデル管理環境は柔軟に対応できることが分かった。
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