2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13780350
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
猿渡 康文 筑波大学, 社会工学系, 助教授 (00292524)
|
Keywords | 組合せ最適化 / ネットワーク理論 / スポーツスケジューリング / ネットワーク構造 / スポーツマネジメント |
Research Abstract |
本研究では、スポーツマネジメントの中でも、早急なシステム化が切望されている「年間試合日程を決定する問題」に対して、ユーザである観客の趣向やニーズを含む第三者的な視点を基礎に、最適化モデルを構築し、最適解ばかりでなく、複数の解を列挙する効率の良い解法を構築することを目的としている。1年目の本年度は、年間試合日程を決定するために必要な条件を、「基本的な条件」、「公平性を維持するための条件」と「多様性を付与するための条件」に分類し、集客率を評価関数とする最適化問題として定式化を行うとともに、分枝限定法に基づく解法の提案を行った。これにより、目的の一部が達成できた。 本年度の主要な成果は、問題構造の解析より、基本的な条件と公平性を維持するための条件の一部を同時に満たす解が、ネットワーク上の最小費用流問題を解くことによって得られることを示した点にある。最小費用流問題の最適解は、多項式の計算時間で求めることが可能である。このため、最小費用流問題を下界値計算に応用した分枝限定法に基づく解法が構築可能となった。提案する解法では、多様性を付与する条件を詳細に分析することで、早い段階で分枝停止が発生するような分枝を行っている。 本研究では、解法の効率を評価するために、日本プロ野球の年間試合日程を決定する問題に対して、本研究で提案する解法を適用した。その結果、システマチックに解を求めることが可能であることが確認できた。なお、この研究成果は、IFORS2002(2002年7月開催)などにおいて発表予定であり、さらに、論文として投稿する準備を進めている。 本年度の成果を受けて、2年目の来年度では、Jリーグなどの他の競技団体への適用を行うとともに、複数の解を列挙するための解法の構築を行う予定である。
|