2002 Fiscal Year Annual Research Report
組合せ最適化逆問題によるロード・プライシングへのアプローチ
Project/Area Number |
13780361
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
高畑 貴志 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 助手 (50324827)
|
Keywords | 組合せ最適化 / 逆問題 / ロード・プライシング / 多品種フロー問題 |
Research Abstract |
本年度は,Dial(Minimum-revenue congestion pricing Part II : Ane effecient algorithm for the general case, Transportation Research Part B,34(2000)645-665.)により提案された,システム最適な交通流を,単一の課金/時間係数の下に最小課金でユーザ最適として達成する課金を求めるモデルに対する,高速アルゴリズムの検討を行った.本年度は,環状道路に関する道路課金に関し以下の結果を得ることができた. 1.環状道路においてシステム最適な交通流が与えられた時,この交通流が正則性と呼ばれる性質を満たすならば,課金によりユーザ最適として実現可能なことを証明した.(なお,上下線の車線幅を変更できる場合,システム最適な交通流はこの正則性を満たす.) 2.Shepherd-Zhang(A cycle-augmentation algorithm for minimum cost multicommodity flows on a ring, Discrete Applied Mathematics,110(2001)301-315.)の無向リングネットワーク上の最小コスト多品種フローを求める逐次改善型アルゴリズムを応用し,最小収入の課金を求める多項式時間アルゴリズムを開発した. 3.Shepherd-Zhangのアルゴリズムを、負の値を取るフローに対して適用できるよう拡張した. なお,これらの成果は"環状道路における最小収入課金アルゴリズム"として,投稿準備中である. 課金により生じるおそれのある,不公平を考慮に入れたモデルは,興味深い今後の課題である.
|