2001 Fiscal Year Annual Research Report
拡散・火災・爆発災害を考慮した化学プラントのリスク評価に関する研究
Project/Area Number |
13780362
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
倉敷 哲生 大阪大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (30294028)
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Keywords | 化学プラント / 火災 / モンテカルロ法 / シミュレーション / リスク評価 / 信頼性 |
Research Abstract |
近年,化学プラントの中に高速道路を通したり,遊園地や公園などのレジャー施設を作ることが増えてきている.このような場合には,プラント内における火災等の災害が周囲に与える影響を把握し,安全性を十分に確保する必要がある.タンク火災によるふく射熱が周囲に及ぼす影響の評価として,我が国では高圧ガス保安協会の指針による手法が一般に多くの同意が得られているが,指針では障害物の無い空間における単一の被害を想定しており,林立するタンク群や建屋によるふく射受熱の遮断を考慮されていない.さらに,風は火災の延焼拡大に最も影響を及ぼす危険要因の一つであるが,指針では無風状態のみを想定しており,風速・風向の影響によりふく射熱が増大する効果を考慮していない問題点がある.そこで,これらの効果を評価するため,モンテカルロ法を用いて風の影響ならびに障害物射影の影響を考慮したふく射熱評価手法を構築した.さらに,風向・風速の発生確率分布を考慮し,プラント内の設備機器および周辺区域等に及ぼすリスクを計算し,プラント及び周辺地図上に等高線状にグラフィック表示を行うプログラムを開発した.従来手法との比較を行い,提案手法を用いることによって化学プラント周辺区域におけるリスクの空間的・時間的推移が把握可能となることを示した.本手法は結果として避難経路の設定や,新規設置プラントの設計などの安全性・信頼性評価に貢献できると考える. 本手法ならぴに解析例について,日本材料学会第18回材料・構造信頼性シンポジウム(於:ファインセラミックスセンター,平成13年11月)において発表し,その成果を示している.
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 倉敷哲生, 座古 勝: "タンク火災を考慮した化学プラントの災害シミュレーション"生産と技術. 第53巻・第4号. 38-40 (2001)
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[Publications] 倉敷哲生, 座古 勝, 青山晃久: "化学プラントの火災時の危険性評価手法に関する研究"日本材料学会第18回材料・構造信頼性シンポジウム講演論文集. 26-31 (2001)