2002 Fiscal Year Annual Research Report
十和田火山における火山泥流災害の特性解明と災害予測
Project/Area Number |
13780377
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Research Institution | Osaka Kyoiku University |
Principal Investigator |
赤石 和幸 大阪教育大学, 教育学部, 助手 (90243279)
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Keywords | 十和田火山 / 火山災害 / 埋没家屋 / 泥流 / 年輪年代 / 十和田a火山灰 / 白頭山-苫小牧火山灰 / 毛馬内火砕流 |
Research Abstract |
平成14年度における本研究の成果として,以下に述べる知見が新たに得られた. 1.前年度に引き続き,秋田県米代川流域全体の地質調査を行った.その結果,新たに十和田火山最新噴火以前の泥流堆積物を発見し,その分布域を決定できた.それによって,規模の異なる火山泥流によって洪水災害の及ぶ範囲をさらに詳しく推定することができた. 2.米代川の河岸段丘上に,十和田火山最新噴火以前の大規模な噴火堆積物である八戸火砕流堆積物およびそれに伴う泥流堆積物と十和田a火山灰に挟まれる縄文中期の集落遺跡を新たに発見し,予備的な発掘調査を行った. 3.火砕流堆積物および泥流堆積物の粒度分布解析を行った.その結果,各堆積物の特徴が判明し,運搬プロセスを推定することができた. 4.得られた地質学的情報をもとに,泥流の流走経路および過程,到達範囲を推定した.それらの結果から,流域の詳細な災害実績図を作成し,また噴火の規模に応じた災害予測図を作成した. 5.高精度の年代測定法である年輪年代法を火山学へ適用する際の,試料採取方法と試料選定方法を確立した.その結果,今後他の火山で年輪年代法を用いることが容易になった.
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