2001 Fiscal Year Annual Research Report
電流不安定性の非線形発展と重イオン粒子へのエネルギー輸送
Project/Area Number |
13780385
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
樋田 美栄子 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 助手 (00273219)
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Keywords | 電流不安定性 / 粒子加速 / 粒子加熱 / イオンサイクロトロン波 / 非線形発展 / 多種イオン |
Research Abstract |
電流不安定性の非線形発展と重イオン粒子へのエネルギー輸送を明らかにするため、3次元静電粒子コードを用いてシミュレーション研究を行っている。これまで電子と2種のイオン(HとHe)からなるプラズマ中の不安定性を調べ、電子の速度分布関数の変化によって、線形理論ではほぼ安定なイオンサイクロトロン波が不安定化し、重イオン粒子を加熱することを示した。この結果は、重イオン粒子加熱の可能性が線形理論で予測されるよりもずっと大きいことを示唆しており、太陽フレアーにおける3He過剰現象等を解明するための重要な手掛かりになると考えられる。 本年度は、各種イオンのエネルギー輸送量と非線形効果によって励起されるイオンサイクロトロン波の性質を明らかにすることを目標とした。特に、エネルギー輸送のイオン種依存性を詳しく調べるため少数の3He粒子を含めたシミュレーションコードを開発し、3He過剰現象をもたらすと考えられている強い電流不安定性に注目してシミュレーションを行った。強い電流は初期にBuneman波を励起するが、その波による電子補足によって、電子の速度分布関数は急激に変形し、電子温度が上昇する。そして、この変化によってイオンサイクロトロン波が不安定化し大きく成長して、3He粒子を選択的に加熱することを示した。また電子温度の上昇はイオンサイクロトロン波の分散関係を変化させ、3He粒子へのエネルギー輸送量を増加させることを明らかにした。さらに、電流が強くなるほど3Heへの輸送量が増加することを示した。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] M. Toida, A. Sugishima: "Energy Transfer to Heavy Ions by Nonlinear Evolution of Current-Driven Instabilities in a Multi-Ion-Species Plasma"Journal of the Physical Society of Japan. 70:11. 3285-3290 (2001)
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[Publications] A. Sugishima, M. Toida, Y. Ohsawa: "Simulation Studies of Buneman Instabilities in a Multi-Ion-Species Plasma"Journal of Plasma Fusion Research Series. 4(In press). (2002)
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[Publications] M. Toida, A. Sugishima, Y. Ohsawa: "Nonlinear Evolution of Current-Driven Instabilities and Energy Transport to Heavy Ions"Journal of Plasma Fusion Research Series. 4(In press). (2002)