2001 Fiscal Year Annual Research Report
ヘリシティー注入を目的にした新しい低不純物・強磁場プラズモイドの開発
Project/Area Number |
13780392
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
渡部 政行 岩手大学, 工学部, 助手 (30271844)
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Keywords | 擬火花放電 / プラズマジェット / 磁気ヘリシティー / 大電流グロー放電 |
Research Abstract |
先ず、プラズモイド生成部の電極の設計を行い、実際にプラズマを撃ちだす電極部を製作した。製作した電極部の材料はステンレスである。続いて製作した電極を用いて放電回路系の通電試験を行った。放電回路はコンデンサーを用いたRC放電回路である。ここで抵抗Rは回路線自体の抵抗である。コンデンサーには静電容量100μFのオイルコンデンサーを用いた。実験で充電する電圧は最大約1kVである。今回の実験では充電電圧をできるだけ下げた条件で大きな放電電流を流せるようにコンデンサー容量を増加させた。つまり、これまで用いていた0.5μFから200倍の100μFに変更し、逆に電圧はこれまでの15kV充電から1kV充電まで減少させた。この変更により放電初期に電子が電界によって強く加速されることなく、放電電流とその自己磁場のローレンツ力で撃ちだされるものと期待される。 次に、プラズマを磁場で閉じ込めない状態でプラズマジェットを撃ちだし、その時のプラズマジェットの温度密度を計測した。この実験は上記の100μFのコンデンサを用いた実験装置ではなく、これまで用いていた0.5μFのコンデンサーを用いたプラズマジェット実験装置を用いて実験を行った。プラズマジェットの温度密度の計測にはアースから電気的に浮かしてあるダブルプローブを用いた。電気的にアースに設置されているシングルプローブ(ラングミューアプローブ)を用いた場合、擬火花放電の特徴として長い放電路で放電が優先的に起こることから放電がプローブにも流れ込み、比較的高温低密度の実験結果が得られていた。そこで新しくダブルプローブを用いることにより、より正確にプラズマジェットの温度密度を計測することが可能になった。上記の実験で放電電流が8kAの場合、プラズマ密度が20eV、プラズマ密度が10^<10>cm^<-3>であった。実験はまだ最適化されておらず、今後放電数を重ねて最適な結果、つまりより高温、高密度のプラズマジェットを開発していく予定である。 実際に撃ちだされたプラズマジェットを外部磁界で閉じ込める実験は当初予定していた計画より若干遅れている。その原因は上記に記したように、より正確なプラズマジェットの温度密度を計測するために静電プローブをシングルプローブからダブルプローブに変更したためである。次年度は初年度に計画して遅れているプラズマジェットの閉じ込め実験を精力的に行う予定である。プラズマジェットの閉じ込め実験ではガス充填気圧や放電開始電圧、コンデンサー容量の最適化を行い、プラズマジェットの温度、密度、それから撃ち出し速度の最適化を行い、実際にトロイダル電流駆動系プラズマに設置し、ヘリシティー注入の効果を調べていく。
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