透過波長可変型干渉フィルターを用いた新型放射輝度二次元分布測定システムの開発

2001 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 13780398
• Research Category: Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
• Research Institution: National Institute for Fusion Science
• Principal Investigator: 庄司 主 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 助手 (00280602)
• Keywords: イメージ分光器 / 画像処理 / 分光計測 / プラズマ計測 / 不純物計測 / ダイバーター計測

Research Abstract

平成13年度では干渉フィルターなどをイメージ分光器の別面に設置することによって、本システムの各種較正実験を実施した。較正実験では水銀ランプおよび、水素ランプを用いて、様々な光の波長における波長分解能・空間分解能の測定を行った。その結果、本システムがLHDプラズマの分光計測に十分に適用可能であることを確認することができた。また、従来の光ファイバーアレイを用いた2次元プラズマ分光計測システムと比較して、非常にシンプルな機器構成で同等以上の測定が可能であることを確認することができた。
本システムをLHDプラズマの計測に実際に適用できるようにするために、機器内部に使用されている主な各種磁性体を非磁性体のものに交換した。その後、既設の小型のCCDカメラを利用してLHDにおける様々な実験配位における各種不純物ライン輝度の初期的な分布測定を実施した。また、このカメラによって撮影された画像データをリアルタイムで解析・表示できるシステムを構築してプラズマ中の不純物光分布および、その時間的変化の研究が円滑にできるようにした。本システムによってこれまでカーボンリミターをLHDプラズマに挿入した場合に観測されていたプラズマ周辺部の光の帯はCIII(炭素からの光)によるものであることが判明した。これは高い空間分解能の測定を容易に行うことができる本システムの優れた特長を示した実験結果である。
平成14年度では、遠隔操作が可能で、広いダイナミックレンジ・高空間分解能を有する高性能CCDカメラを本システムに適用することによって、詳細なプラズマ中の不純物の挙動などを測定・解析する予定である。また、カメラの測定角度なども遠隔操作できるようにして、カーボンタイルから直接ダイバーター部のプラズマへ放出されていると考えられる各種不純物の分布、輸送現象の物理解明を詳細に行う予定である。