2001 Fiscal Year Annual Research Report
ヘリカルプラズマにおける高速イオンリップル輸送の実験研究
Project/Area Number |
13780400
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
|
Research Institution | National Institute for Fusion Science |
Principal Investigator |
磯部 光孝 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 助手 (00300731)
|
Keywords | CHS / ヘリカルリップル / 軌道損失高速イオン |
Research Abstract |
核融合科学研究所のコンパクトヘリカルシステム(CHS)における中性粒子入射(NBI)高速イオンの新古典閉じ込め及びMHD不安定性に起因する異常損失について調べる為に、シンチレータに基づく損失高速イオンプローブの設計・制作を行い、CHS装置への設置を行った。本プローブは、CHS装置においては2つ目の損失イオンプローブである。以前より使われている1つ目のプローブは大半径方向外側(弱磁場側)に設置され、主に磁気面から軌道が大きく偏差している通過粒子を検出する。今回開発したプローブは、大半径方向内側(強磁場側)に設置され、主にヘリカルリップルに捕捉されてトーラス内側の真空容器に軌道損失してくる高速イオンを検出する。高速イオンの検出の為に、石英ガラスの上に発光強度の高い事で知られているZnS(Ag)シンチレータ(サイズ:1.6cmxl.6cm)を塗布したものを用いた。 イメージインテンシファイヤ付きCCDカメラにより、シンチレータ板上に局在化したシンチレータ光スポットを観測した。このスポットが確かに高速イオンに起因するものであることを確認する為に、トロイダル磁場強度のスキャン実験、またトロイダル磁場の向きを変えた実験を行い、これらの結果から、測定されたシンチレータ光は軌道損失高速イオンによるものであることが確認できた。また、MHD揺動に同期した高速イオンの異常損失も観測された。H13年度に得られた結果については、H14年度・7月に米国・ウィスコンシン州で開かれる第14回高温プラズマ計測会議で発表する予定である。これらの初期実験を通して、信号のS/Nが良好とは言えず、より精度の高いデータを得る為にプローブシステムの光学系に改良を加える必要があることが分かった。H14年度においては、本プローブの光学系に改良を加えた後、更なるデータ所得の為の実験を遂行する予定である。
|