2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13780420
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
竹川 暢之 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 助手 (00324369)
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Keywords | 一酸化炭素 / 真空紫外 / 共鳴蛍光 / 高精度化 / 航空機観測 / 対流圏化学 |
Research Abstract |
一酸化炭素(CO)は、対流圏化学において重要な役割を果たす物質である。その光化学過程・輸送過程を定量的に研究するためには、航空機観測によりCO濃度を高精度・高時間分解能で測定することが必要である。これまで、真空紫外共鳴蛍光法を用いた高時間分解能CO測定器の開発を行ってきた。この方法は、共鳴線ランプという特殊光源から放射される光を試料空気に照射し、COからの共鳴蛍光を検出することにより濃度を決定するものである。本研究では、このCO測定器を高精度化するための様々な改良を行った。本年度に達成された研究実績について以下に記す。 (1)共鳴線ランプは直流放電を用いている。その放電特性を決定する重要な要素であるニクロムメッキの方法・厚さの最適化を行った。室温条件下では極めて安定な放電状態を達成することが可能となった。 (2)水蒸気(H_2O)の干渉要因となる短波長の光を除去するために、ランプ窓材に結晶石英(Crystalline quartz)を使用することを独自に考案した。実際に加湿空気を測定器に導入し、H_2Oによる干渉がCOの信号強度に対して無視し得る大きさであることを実証した。 (3)試料空気が導入される蛍光セル内の圧力を一定に保つための高感度な圧力コントロールシステムを開発した。外気圧が300hPaより高い条件において1%以内の精度でコントロール可能であるという結果を室内実験により得た。 (4)測定器を航空機に搭載し、実大気中における観測を行った。対流圏における典型的なCO濃度に対して、1-2%の精度で定量可能であることを実証した。 また、観測データを詳細に検討した結果、航空機搭載型としてさらなる高精度化を達成するためには、(1)機内温度が変化した場合の信号強度の安定化、(2)測定器の小型化・軽量化、(3)較正用CO標準ガスの比較検証、等が必要であることが分かった。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Takegawa, N. (他10名): "Airborne vacuum ultraviolet resonance fluorescence instrument for in situ measurement of CO"Journal of Geophysical Research. 106. 24237-24244 (2001)
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[Publications] Koike, M., N. Takegawa (他10名): "Reactive nitrogen over the tropical Western Pacific : Influence from lightning and biomass burning during BIBLE-A"Journal of Geophysical Research. (in press).
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[Publications] Kondo, Y., N. Takegawa (他14名): "Effects of biomass burning, lightning, and convection on O_3, CO, and NO_y over the tropical Pacific and Australia in August-October 1998 and 1999"Journal of Geophysical Research. (in press).
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[Publications] Liley, J. B., N. Takegawa (他9名): "Black carbon in aerosol during BIBLE-B"Journal of Geophysical Research. (in press).