2001 Fiscal Year Annual Research Report
メソ細孔性シリカ中の吸着サイトの精密合成と重金属アニオン選択性吸着剤への展開
Project/Area Number |
13780448
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
吉武 英昭 横浜国立大学, 大学院・環境情報研究院, 助教授 (20230716)
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Keywords | メソポーラスシリカ / 重金属アニオン / 表面修飾 / 表面機能化 / 配位子交換 |
Research Abstract |
(1)MCM-41(P6m),MCM-48(la3d),SBA-1(pm3n),SBA-3(p6m)を常法にて合成し、3-aminopropyltrimethoxylsilane、【1-(2-aminoethyl)-3-aminopropyl】trimethoxylsilane、(trimethoxysilyl)propyldiethylenetriamineを固定化、カチオン・アンカーとする。C, H, Nの元素分析により単位表面積あたりの官能基数を決定、赤外分光法により固定化官能基の構造を確認した。どの組み合わせも分子構造を破壊することなく固定化に成功したが、担体によって表面密度に相違が見られた。 (2)表面水酸基にFe^<3+>,Co^<2+>,Ni^<2+>,Cu^<2+>等のイオンを配位させる。ICPによりカチオンと官能基の化学量論を明らかにし、紫外可視吸収分光法により配位携造を解析した。X線回折、窒素吸着実験により担体構造の保持を確認した。【1-(2-aminoethyl)-3-aminopropyl】trimethoxylsilaneの場合、Fe、Cuは2つの配位子により、Coには1つの配位子により固定化されているという構造が最も適当であると結論された。 (3)このように調製されたシリカによるHAsO_4^<2->,CrO_4^<2->の吸着実験を行った。溶液はICPにて分析し、吸着等温線、吸着飽和値での化学量論などを明らかにした。SO_4^<2->,P0_4^<3->,N0_3^-などの濃度を様々に変化させ、共存イオンやpHの影響を調べた。Asの場合、分配係数の上でも量論の上でもFeが最も優れた吸着特性を示し、続いてCo、Ni、Cnの順であった。酸性条件で生成したアンモニウムイオン系はCuに類似した吸着特性を示した。したがって、Cuについては単純な陰イオン交換が配位子の外圏で起きていると考えられる。いっぽうFeは高度な選択性を示し、配位子交換を伴った吸着反応を起こしていると考えられる。一方Crの場合、Cuが優れた吸着特性を示した。
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