2001 Fiscal Year Annual Research Report
海洋性微細藻類を用いる環境ホルモン等の環境汚染物質の機能改変や回収除去法の開発
Project/Area Number |
13780452
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Kyoto University of Education |
Principal Investigator |
石原 浩二 京都教育大学, 教育学部, 助手 (50273537)
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Keywords | 海洋汚染 / 微細藻類 / 環境ホルモン / 生体触媒 / 環境汚染 / 環境修復 / バイオレメディエーション / 応用微生物化学 |
Research Abstract |
本研究は,海洋性微細藻類の物質変換能力を巧みに利用することにより,環境汚染関連物質の効率的な分解や回収を可能にし,海洋環境汚染防止に貢献しえる「環境浄化への新たな道」を切り開くことを主目的とするものである. 本年(平成13年)度は、「海洋性微細藻類を利用する海洋汚染物質(環境ホルモン等)の機能改変と無毒化」を目標に、海洋性微細藻類のスクリーニングと環境汚染関連物質分解への応用に関する研究を行った. 研究に用いた微細藻類は,瀬戸内海沿岸海域から単離された株(Chaetoceros gracilis, Chaetoceros sp., Nannochloropsis sp., Pavlova lutheri)を使用し,環境汚染物質(内分泌撹乱関連物質)としては,フタル酸ジエチルヘキシル(DOP),p-ter-オクチルフェノール(t-OP),p-n-オクチルオキシフェノール(4-OoP)の3種類を使用した.海洋性微細藻類の培養は人工海水中,蛍光灯による照射下(1000 lx),2週間,20℃で通気(2L/分)培養を行った.培養液(微細藻類懸濁液)50mlに,環境ホルモン物質1.2μmol(アセトン溶液)を加え,蛍光灯光照射下(1000 lx),20℃,好気的条件にて6日間インキュベートし,ガスクロマトグラフにて分析し基質の回収率を求めた.DOPについては時間経過とともに,微細藻類による分解が観測されたが,分解よりも細胞内への蓄積が主として起こっていた.t-OPと4-OoPについては,時間経過とともに培養液中の基質残量は減少していったが,微細藻類細胞内では,ほとんど検出されなかったことから考えて,微細藻類内へ取り込まれ分解されていると考えられた. 以上の結果から、海洋性微細藻類に環境ホルモン関連物質分解能力、細胞内への蓄積力が存在することがわかった。
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