2001 Fiscal Year Annual Research Report
製品リユースの時間的限界のモデル化と設計戦略への適用に関する基礎研究
Project/Area Number |
13780458
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
梅田 靖 東京都立大学, 工学研究科, 助教授 (40242086)
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Keywords | 環境問題 / リユース / 3R / 時間的限界 / ライフサイクル設計 / 多世代設計 / 限界リユース率 / 多世代設計 |
Research Abstract |
循環型社会実現のために、組立型製品に対して、いわゆ3R(リデュース・リユース・リサイクル)の達成が求められている。中でも「リユース」は、使用済み部品の価値を維持可能で、かつ、新部品製造の環境負荷、コスト、および、廃棄物量を削減可能な有望な手段である。本研究の目的は、リユースを促進する上で本質的な問題のうち、以下に示す「時間の問題」を解決するために、長期にわたる製晶の販売、メンテナンス、回収パターンをモデル化することにより、リユース可能性の時間的な限界の評価手法を提案することである。さらに、評価されたリユース可能性を高める方法として複数機種間(バラエティ設計)や複数世代間(シリーズ設計)での部品共通化などの設計戦略の有効性を評価することを第二の目的とする。本研究で解決を試みる「時間の問題」とは、製品組込型のリユースは製品販売と製品回収が重なった期間でのみ可能であり、家電製品等ではこの重なりが存在しないため、どのような設計上の工夫をしようとも、そもそもリユースが原理的に不可能であることを指している。 本年度の成果は以下の通りである。 1.限界リユース率のモデル化 上記の考え方に基づき、対象製品の販売曲線と回収曲線の重なり部分の割合と定義し、定式化した。さらに、幾つかの製品事例データを収集し、モデル作成用計算機一式を使用して、実際に限界リユース率を計算し、さらに、限界リユース率と種々の因子の関係を感度解析により分析した 2.設計戦略の有効性の評価 限界リユース率を高める方策として、バラエテイ設計、シリーズ設計、高信頼化設計による効果を上記の手法を拡張してモデル化し、ケーススタディを通じてその有効性と適用条件を明らかにした。特に、迅速循環製品の場合には同一製品を対象としたリユース設計が、長寿命製品の場合には、複数世代間の共通化設計(シリーズ設計)が有効であることを明らかにした。
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