2001 Fiscal Year Annual Research Report
生分解性ポリエステルグラニュールの構造とグラニュール結合蛋白質の相関
Project/Area Number |
13780462
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
前原 晃 理化学研究所, 高分子化学研究室, 基礎科学特別研究員 (90332262)
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Keywords | ポリヒドロキシアルカン酸 / ポリヒドロキシアルカノエート / phasin / PhaP / PhaR / PHB / PHA |
Research Abstract |
PHAグラニュール結合蛋白質(GAP)としてPHA合成酵素、分解酵素の他にPhasin(PhaP)と呼ばれる主要蛋白質が存在する。Phasinはグラニュール表面を覆っている酵素的活性を持たない蛋白質であり、Phasinの発現調節に関わる制御因子PhaRもGAPであることを同定した。Paracoccus denitrificansのPHAグラニュール表面上に検出できた蛋白質のうち、Phasinはおよそ96%も占め、PhaRは0.3%程度であることがわかった。PhaRはDNA結合蛋白質でもあり、PHAの非存在下ではDNA(phaPのシスエレメント)に結合しているが、PHAの存在下ではPhaRはPHAに結合し、DNAから解離することが明らかとなった。P.denitrificans及びRalstonia eutropha両菌株からphaPとphaRをクローン化し、大腸菌発現株を作成した。結晶化したPHBグラニュール、非晶状態のPHBグラニュールへのこれらの蛋白質(PhaP, PhaR)の結合能を試験管内で調べたところ、PhaRはどちらの状態のPHBグラニュールともよく結合したが、PhaPは非晶状態のPHBグラニュールにより結合し、結晶化したPHBグラニュールへは少ししか結合しなかった。精製したPhaPとPhaRをPHB単結晶へ結合させ、その結合の様子を原子間力顕微鏡による直接観察で調べ、さらにそれぞれの蛋白質の抗体を用いて免疫電子顕微鏡法による間接観察をした結果、PhaPとPhaRのどちらもPHB単結晶表面全体に結合していた。以上のことからPhaRはPHAのポリマー鎖を認識する蛋白質であり、PhaPはポリマーの状態に依存した結合様式の存在が示唆された。
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