2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13780466
|
Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
倉本 誠 愛媛大学, 機器分析センター, 助手 (50291505)
|
Keywords | VA菌根菌 / 成長制御 / 海藻抽出物 / フラボノイド / ペプチド / 核酸 / 配糖体 / 還元糖 |
Research Abstract |
VA菌根菌は,植物に共生することにより植物の成長を促すが,その人工培養は非常に困難である.さらに,菌根菌と植物の共生の詳細なメカニズムも解明されていない.この問題解決のために必要となるVA菌根菌の成長を制御(促進,抑制)する物質の探索を進めた.これまでに,コンブ,ミカン果実,イネ科植物バヒアグラスの抽出物から,VA菌根菌の成長促進活性を有する物質の,単離と構造解析を行なってきた.以下にその詳細について述べる. まず,利尻産のコンブの水抽出物にVA菌根菌成長促進活性が認められた.そこでこの抽出物を,ゲル濾過カラムにより分子サイズ分離を行なった後に,その低分子画分に活性が認められたことから,この溶液をODSカラムクロマトグラフにより分画した.最終的に高速液体クロマトグラフを用いて分離した結果は,2種の菌根菌の成長活性を有する物質を単離する事が出来た.各種分光測定を行なった結果,その構造は,新規な核酸誘導体と,リクソース由来と考えられる還元糖であった.これ以外の画分にも活性が認められ,それらの分析を進めている.また,イネ科植物バイヒアグラスの根の抽出物にも,VA菌根菌の成長促進活性があることを確認し,分離・精製を進めてきた.これまでに,その成長促進活性物質の一つとしてユーパリチンを単離し,その構造を明らかとした.これ以外に成長促進活性を示す物質として,ペプチド結合を有する物質の存在を確認し,その物質の精製を進めたが,他の成分との分離が困難であり単離にはいたっていない.また,これまでに展開してきた研究の成果として,株式会社ヤマキとの共同により特許申請と,商品の発売を行っている.
|
Research Products
(2 results)
-
[Publications] M.Kuramoto, T.Fujita, N.Ono: "Ircinamine, a Novel Cytotoxic Alkaloid from Ircinia sp"Chemistry Letters. No.4. 464-465 (2002)
-
[Publications] T.Ishii, H.Kitrabayashi, M.Kuramoto, M.Nakano, H.Motosugi: "Growth Stimulatory Substances for Mycorrhizal Fungi in Composted Organic Matter"Acta Horticultur. (印刷中).