2001 Fiscal Year Annual Research Report
酵母プリオンsup35の線維成長の実時間イメージング
Project/Area Number |
13780498
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
田口 英樹 東京工業大学, 資源化学研究所, 助手 (40272710)
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Keywords | 酵母 / プリオン / アミロイド / 1分子イメージング / ポリグルタミン |
Research Abstract |
プリオンはタンパク質性の感染因子である。プリオンの概念は、羊のスクレイピー(およびクロイツフェルトヤコブ病、狂牛病なども含む)の感染機構を説明するためにPrusinerが提唱した概念に端を発する。が、近年では酵母にもプリオン的な挙動をするタンパク質が複数あることがわかってきており、プリオンの概念はかなり普遍的なものとなってきた。 通常、異常型プリオンは規則的に重合してアミロイド様の線維となることが知られている。さらには、その線維状タンパク質が正常型を異常型へと変換する際の触媒となる。ということはつまり、プリオンの触媒する構造転換のメカニズムを考える上で、プリオン線維の形成機構を知ることは非常に重要である。しかし、プリオン線維がどのようにできていくのかについて分子レベルでの研究は非常に遅れている。そこで本研究は、近年既に実用の域に達している高感度の蛍光顕微鏡システムを用いて、プリオンの線維形成過程を生きたまま一本一本観察することを目的とした。材料としては安全で変異導入も容易な酵母のプリオンタンパク質を使った。この研究では、多数の分子の平均を観察する従来の生化学の限界を超えて、プリオンの本質に迫ることが可能なはずである。 平成13年度はプリオン線維を固定化してリアルタイムで線維成長を観察し、その成長のようすを詳細に解析した。1本1本のプリオン線維成長の速度分布、成長の方向性などを統計的に処理した。その結果、酵母のSup35というプリオン線維は、片側で優先的に成長することが明らかとなった。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Inoue, Y.: "Strong Growth Polarity of Yeast Prion-Fiber Revealed by Single Fiber Imaging"J. Biol. Chem.. 276. 35227-35230 (2001)
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[Publications] Taguchi, H: "Single-molecule observation of protein-protein interactions in the chaperonin system"Nat. Biotechnol. 19. 861-865 (2001)
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[Publications] Fukami, T.A.: "Crystal Structure of Chaperonin-60 from Paracoccus denitrificans"J. Mol. Biol. 312. 501-509 (2001)
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[Publications] Shiseki, k.: "Synchronized Domain Opening Motion of GroEL is Essential for Communication between the Two Rings"J. Biol. Chem. 276. 11335-11338 (2001)
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[Publications] Takada, K.: "Isolation of Ubiquitin-E2 (Ubiquitin-Conjugating Enzyme) Complexes from Erythroleukemia Cells using Immunoaffinity Techniques"Biochemical J.. 356. 199-206 (2001)
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[Publications] Yoshida, T.: "Archaeal group II chaperonin mediates protein folding in the ciscavity without a detachable GroES-like co-chaperonin"J. Mol. Biol.. 315. 73-85 (2002)
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[Publications] 田口 英樹 (分担): "分子シャペロンによる細胞機能制御"シュプリンガー・フェアラーク東京. 219 (2001)