2001 Fiscal Year Annual Research Report
プロテインキナーゼPASKの関わる新規シグナル伝達経路による細胞骨格の調節
Project/Area Number |
13780502
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
|
Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
堤 智斉 三重大学, 医学部, 助手 (40273370)
|
Keywords | プロテインキナーゼ / Ste20類縁キナーゼ / 細胞骨格 / 細胞ストレス |
Research Abstract |
1、PASKの関わる細胞内シグナル伝達経路の解明 PASKのC末端側非触媒領域を固定化したアフィニティーカラムを用いて、PASKと会合する蛋白質を検索した。ラット精巣からは、PASKのC末端部分と会合する主要な蛋白質として、アクチンとチューブリン、PASK自身が同定された。この他にも数種の未同定の蛋白質がPASKと会合することが分かった。現在、これらの蛋白質について、同定作業および抗体作製を行っており、さらに解析を進める予定である。 2、PASKと細胞骨格の相互作用の解析 NIH3T3細胞にFLAG標識のPASKを発現させ、ストレス刺激によるトランスロケーションを抗FLAG抗体を用いて共焦点レーザー顕微鏡と電子顕徹鏡で観察した。PASKは無刺激ではサイトゾルに存在したが、熱ストレス刺激で細胞膜近傍にトランスロケーションした。このときTriton X-100を用いた細胞分画ではPASKが細胞骨格画分に回収されることから、細胞膜直下の細胞骨格に会合することが考えられた。次に部分欠損PASKを発現させ、同様に解析した。その結果、触媒領域とC末端側非触媒領域の少なくとも2か所に細胞骨格と会合するドメインが存在すること、またC末端側の非触媒領域にストレス刺激に応答して細胞骨格に会合するドメインがあることが示唆された。ラットの組織・細胞でのPASKの細胞骨格との会合を抗PASK抗体を用いた免疫電子顕微鏡観察で調べた。腎臓の尿細管では、培養細胞と同様に細胞膜に局在する細胞が多く見られ、内在性PASKの細胞骨格との会合が確認された。また気管と卵管の線毛上皮において、PASKが線毛の基部の微小管に会合していることが明らかになった。今後、PASKによる微小管の調節についてさらに解析を進める予定である。
|