2001 Fiscal Year Annual Research Report
イオン輸送性膜蛋白質の細胞膜への局在化に関わるキネシンモーター分子の役割
Project/Area Number |
13780505
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
中村 徳弘 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助手 (90324748)
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Keywords | キネシン / 生体膜輸送 / ナトリウムイオン |
Research Abstract |
生体膜タンパク質の細胞内での局在制御はその機能発現に必須である.我々が同定したキネシン様タンパク質KIF1Bp204は,微小管上を移動するモーター分子と高い相同性を持ち,生体膜イオン輸送タンパク質と間接的な結合能を有する.そこで,KIF1Bp204が細胞膜タンパク質の輸送に関わる分子であると考えた. 平成13年度ではKIF1Bp204に対する特異的抗体を組換えタンパク質を用いて作製し,遺伝子産物を同定した.KIF1Bp204にはスプライシングの異なる3種のアイソフオームが存在し,脳神経細胞で高く発現していることを示した.密度勾配遠心実験と,免疫染色法による顕微鏡観察による細胞内分布解析によって,神経シナプス小胞に局在することがわかり,細胞膜タンパク質と神経伝達物質のシナプス膜への輸送に関わることに示唆した.さらに,KIF1Bp204-GFP融合タンパク質の培養細胞発現系を作製し,蛍光顕微鏡を用いた生細胞内での輸送を観察することが可能となった. KIF1Bp204の膜輸送モーターの分子機構を明らかにするために,大腸菌及び昆虫細胞を用いたリコンビナントKIF1Bp204タンパク質の安定発現系を樹立し,KIF1Bp204タンパク質精製標品を調製した,これによって,膜輸送モーター能の解析と,細胞膜タンパク質及びその結合タンパク質との相互作用能の解析が可能となった.
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Matsumoto, M., Miyake, Y., Nagita, M., Inouye, H., Shitakubo, D., Takemoto, K., Ohtsuka, C., Murakami, H., Nakamaura, N., Kanazawa, H.: "A serine/threonine kinase which causes apoptosis like cell death interacts with a calcineurin B like protein capable of binding Na^+/H^+ exchanger 1"J. Biochem.. 130. 217-225 (2001)