2001 Fiscal Year Annual Research Report
イオン能動輸送のメカニズム解明へ向けた立体構造解析
Project/Area Number |
13780523
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小川 治夫 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 助手 (40292726)
|
Keywords | P-type ATPase / ion pump / active transport / x-ray crystallography |
Research Abstract |
(1)超高度好熱菌であるMethanococcus jannaschii由来の水溶性P-type ATPaseであるMJ0968の結晶化を試みている。蛋白質の結晶化の為には、サンプルの安定供給が必須である。そのため、精製系の工夫を行った。超高度好熱菌由来の蛋白質は熱に対し耐性があることは良く知られている。また、これら菌由来の蛋白質を大腸菌等で大量発現し精製を行う際、前処理として回収した大腸菌自身を100℃前後で熱し、他の蛋白質を変性させ、精製の簡便化を行う方法は一般的である。そこで、この手法をMJ0968の精製系に組み込んだ。回収した大腸菌は液体窒素で凍らせ、また液体窒素中で粉末に処理した。その結果、回収した大腸菌に熱が均等に行き渡るようになった。C末に6Hisを修飾している関係上、熱処理後はヒスチジンカラムでの1ステップで精製を行えるため、これまで以上に簡便かつ大量に精製サンプルを得る事のできる方法を確立したと言える。現在、この方法で精製を行ったサンプルを用い、結晶化を行っている最中である。 (2)シアノバクテリア由来の1)P-type ATPaseの大量発現を試みている。シアノバクテリアPCC6803株を入手し、genomic DNAを単離精製の後、4種類のATPase遺伝子をPCRでサブクローニングした。その後、これら遺伝子を大腸菌用の発現ベクターに組み込み、大腸菌による大量発現を試みたが、大量の発現蛋白質を得るに至っていない。今後、発現系の改良を行い、改善を図る予定である。
|