2001 Fiscal Year Annual Research Report
カロテノイドの一重項励起状態の検出と励起と緩和の動力学における分子振動の役割
Project/Area Number |
13780540
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Kobe City College of Technology |
Principal Investigator |
九鬼 導隆 神戸市立工業高等専門学校, 応用化学科, 助教授 (20259906)
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Keywords | 光合成 / エネルギー伝達 / カロテノイド / 一重項励起状態 / 分子振動 / ラマン分光 / 時間分解吸収分光 |
Research Abstract |
平成13年度は、助成金の支給金額等々の条件から、自然存在比、各同位体置換ルテインの単離精製技術の確立と、それらのピコ秒過渡共鳴ラマン、フェムト秒時間分解吸収分光を行う、最低一重項状態からの緩和過程における分子振動の役割に関するテーマに焦点を絞り込んだ。 ホウレン草の色素抽出液を用いて、まず、常圧カラムクロマトグラフィーによる粗精製では、充填剤としてワコーゲルC-300を用い、展開溶媒として10%イソプロパノール/ヘキサン、続いて、5%イソプロパノール/ベンゼンと、異なる展開溶媒系で2度カラムに通すことにより、効率よくルテインとクロロフィル類が分離できることがわかった。次に、HPLCでは、DAISO社のダイソーパックSP-60-5-SIL-P(ID4.6mmX250mm)と展開溶媒として40%酢酸エチル/ベンゼン(流速0.5ml/min)を用いることにより、ルテインの幾何異性をきれいに分離することができ、全トランス、15-シス、13-シス、13'-シス、9-シス、9'-シスの6つの異性体の分離に成功した。このHPLC条件で粗製ルテインを精製することにより、僅かに残ったクロロフィル類や、ルテインの異性体を取り除き、高純度(98%以上)の全トランスルテインを精製することに成功した。 現在は、各同位体置換培地培養のクロレラからの同位体置換ルテインの精製を行っており、平成14年度当初にも各分光測定を行う予定である。また、平成14年度はいくつかのカロテノイドでの一重項状態の検出に向け、光合成細菌の培養をスタートし、あわせて、分子軌道計算と基準振動解析に着手する予定である。
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