2001 Fiscal Year Annual Research Report
マウス雄性生殖細胞の減数分裂期に発現する新規bHLH型転写因子の機能解析
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13780553
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
吉田 松生 京都大学, 医学研究科, 助手 (60294138)
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Keywords | 転写制御因子 / bHLH / 生殖細胞 / 減数分裂 |
Research Abstract |
本研究では、bHLH型転写因子Okadinの機能解析を通してマウス雄性生殖細胞の分化制御機構に迫る。我々は、酵母two-hybrid法をもちいて、成体マウス精巣cDNAライブラリーから新規bHLH型転写因子Okadinを単離した。Okadinの発現は、胎生7.5-8.5日胚の内胚葉(特に前腸)と、成体においては精巣および卵巣に特に強く認められた。精巣での発現は生殖細胞の減数分裂M期を挟むごく狭い段階に限局していたそこで、Okadinが減数分裂進行さらに生殖細胞系列の増殖、分化に関わっている可能性を検討している。 Okadinの雄性生殖細胞における発現の詳細な解析 Northern blotting, cDNA cloning, data base検索により、Okadinが少なくとも4種類の異なった転写産物を生じていることが明らかになった。さらにin situ hybridizationにより、Okadinは、異なるmRNAとして、出生直後の精原細胞や、胎生期の精原母細胞にも発現があることが明らかとなった。つまりOkadinは異なった制御下で雄性生殖系列のいくつかの分化段階で発現している。 Okadinの転写制御因子としての機能解析 一過的遺伝子導入実験(luciferase assay)を行った。bHLH因子の共通の標的配列e-boxに対して、単独での転写活性化能は認められなかったが、やはりbHLH因子であるMyoDによる転写活性化を抑制する能力を持っていた。今後は、生体内での標的遺伝子を明らかにする事を通して、Okadinの生殖細胞における機能を明らかにしたい。 本年度、Okadin遺伝子は、他グループによりMath6として報告された。しかし、生殖系列の発現や転写因子としての機能について報告はなく、雄性生殖系列の分化における当遺伝子の役割を探ることは依然重要であると考える。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] S.Yoshida et al.: "Sgn1, a basic helix loop helix transcription factor delineates the salivary gland duct cell lineage in mice"Developmental Biology. 240. 517-530 (2001)
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[Publications] R.Mizuguchi et al.: "Combinational role of Olig2 and Neurogenin2 in the coordirated induction of pan-neuronal and subtype-specific properties of motoneurons"Neuron. 31. 757-771 (2001)