2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13780572
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
立花 太郎 大阪市立大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (80311752)
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Keywords | 核移行シグナル / リン酸化 / Ran |
Research Abstract |
これまでに競合阻害がおこらない程度の核蛋白質(核移行シグナル)を細胞質に導入すると、全体の核蛋白質輸送効率が上昇するという現象を見いだし、それが核移行シグナル(NLS)依存的なリン酸化反応に依存することを明らかにしている。そこで本年度は核移行シグナル依存的にリン酸化されるタンパク質の同定を行った。具体的にはまず、importinやRanGTPase cycle関連因子など、これまでに知られている核蛋白質輸送に関与する因子の中から核移行シグナル依存的にリン酸化されるものを検索した。その結果、RanGAP1ならびにRanBP3が細胞質抽出液中において核移行シグナル依存的にリン酸化されることがわかった。RanGAP1はRanのGTP加水分解を促進する酵素である。よって、核移行シグナル依存的にRanGAP1がリン酸化され、RanGAP1のRanGTP加水分解活性が変化することで細胞内の局所的なGTP結合型とGDP結合型Ranの割合が変化し、そのことが核蛋白質輸送効率を変化させる可能性があることが示唆された。またRanBP3は酵母からヒトまで高度に保存されたタンパク質であるにも関わらず、これまでその機能がほとんどわかっていない因子である。本研究より、核蛋白質輸送におけるRanBP3の役割が明らかになるものと思われる。
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Research Products
(1 results)