2001 Fiscal Year Annual Research Report
Rhoファミリー及びそのエフェクター分子を介する細胞骨格分子の制御機構
Project/Area Number |
13780574
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
天野 睦紀 名古屋大学, 大学院・医学研究科, 助手 (90304170)
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Keywords | Rho / Rho-キナーゼ / CRMP-2 / 神経細胞 / 軸索 / 極性形成 |
Research Abstract |
本研究では、Rhoサブファミリー分子やそのエフェクター分子をツールとして、個体の発生過程、特に神経系の形成過程における個々の細胞の細胞骨格分子の制御機構を理解することを目的としている。 申請者はこれまでにRhoのエフェクター分子、特にRho-キナーゼとミオシンフォスファターゼのミオシン結合サブユニットの生理機能、及び作用機構について解析を行って来た。申請者は既に、共同研究者と共にRho-キナーゼの脳内基質としてCRMP-2を同定している。CRMP-2は発生時期の哺乳類の脳に一過性に発現するがその機能はよく理解されていない。申請者は、CRMP-2のリン酸化が、lysophosphatidic acid(LPA)やEphrinなどの軸索ガイダンス因子による成長円錐のコラプスに必須であることを見出している。 本研究において、申請者は成長しつつある軸索の遠位側にはCRMP-2が濃縮して存在することを見出した。さらに、CRMP-2を一次培養海馬神経細胞に高レベル発現させると、一次軸索が通常より長くなるとともに軸索が複数形成されることを見出した。反対にCRMP-2のドミナントネガティヴ体を発現させると、軸索の形成が阻害されて樹状突起のみを持つ神経細胞が生じた。以上の結果は、CRMP-2が未成熟な突起から軸索への運命決定に必要かつ十分であり、CRMP-2が神経細胞の極性形成及び維持に重要な役割を果たす可能性を示している。CRMP-2の作用機構を明らかにする目的で、CRMP-2に特異的に結合する分子を検索したところ、tubulin、actin、Numb、ASIP、kinesin、LARG(RhoGEF)などの極めて興味深い分子がCRMP-2に結合することが判明した。今後、これらの分子を解析することにより、神経細胞の形成過程、特に極性形成過程の分子メカニズムが明らかになるものと期待される。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Araki, S. et al.: "Arachidonic acid-induced Ca2+ sensitization of smooth muscle contraction through activation of Rho-kinase"Pflugers Arch. 441・5. 596-603 (2001)
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[Publications] Fukata, Y. et al.: "Rho-Rho-kinase pathway In smooth muscle contraction and cytoskeletal reorganization of non-muscle cells"Trends Pharmacol Sci. 22・1. 32-39 (2001)
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[Publications] Inagaki, N. et al.: "CRMP-2 induces axons in cultured hippocampal neurons"Nat Neurosci. 4・8. 781-782 (2001)
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[Publications] Katoh, K. et al.: "Rho-kinase-mediated contraction of isolated stress fibers"J Cell Biol. 153・3. 569-584 (2001)
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[Publications] Katoh, K. et al.: "Stress fiber organization regulated by MLCK and Rho-kinase in cultured human fibrobiasts"J Physiol Cell Physioi. 280・6. c1669-c1679 (2001)