2001 Fiscal Year Annual Research Report
アストロサイトにおけるギャップ結合の透過性調節の分子機構の解明
Project/Area Number |
13780599
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
植木 孝俊 浜松医科大学, 医学部, 助手 (60317328)
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Keywords | アストロサイト / ギャップ結合 / connexin-43 / MAPキナーゼ / PD98059 / EGF |
Research Abstract |
connexin-43(Cx43)は脳内のアストロサイトを連絡するgap結合を構成する主要な蛋白であり、1kDa以下の低分子を透過させることにより、ニューロンの機能を修飾すると考えられている。本研究では、アストロサイトへの種々の作用を示すepidermal growth factor (EGF)が、ラット胎仔の大脳皮質より初代培養したアストロサイトでのCx43の発現に及ぼす影響を検討した。 EGFの添加は原形質性アストロサイトの線維性アストロサイト様の細胞への形態の変化を惹起した。また、Cx43のmRNAおよび蛋白の発現をNorthern blotおよびWestern blotにより検討した結果、EGFはCx43の発現を著明に低減することが示された。さらに、その低減はmitogen-activated protein kinase (MAPK)の1つであるextracellular signal-regulated kinase (ERK)の活性化を阻害するPD98059のもとでは認められなかった。また、PD98059の存在下では前述したEGFによるアストロサイトの形態変化も生じなかった。これらの結果はEGFがアストロサイトでのCx43の発現を低減するとともに、ERKを介する情報伝達系が、その低減に関わることを示唆している。
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Research Products
(1 results)