2001 Fiscal Year Annual Research Report
視覚性図形学習による霊長類下部側頭葉での機能コラムの形成:光計測法による研究
Project/Area Number |
13780628
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大木 研一 東京大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (50332622)
|
Keywords | 記憶 / 検索 / 想起 / tip of the tongue / 機能的核磁気共鳴法 / 前頭葉 / 背外側前頭前野 / 前帯状回皮質 |
Research Abstract |
Tip of the tongue(喉まで出かかっているのに思い出せない状態)とは、思い出すべき言葉を知っているはずだと確信しているのにも関わらず、すぐには思い出せない状態を指している。このような状況では、記憶から検索しようと努力している認知成分と、記憶からの検索に成功したときの認知成分が時間的に分離していると考えられる。この現象を利用して、記憶の検索過程のそれぞれの認知成分に対応する脳の活動を機能的核磁気画像共鳴法を用いて測定することを試みた。14人の被検者に、人物の名前を当てさせるような質問を課し(ソニーの創設者は誰か、など)、その人物名は、1985年-1999年の朝日新聞に1000回以下しか現れなかったものを用いることにより、高率にTip of the tongueの状態を誘導した。機能的核磁気画像共鳴法には、以下のパラメータを用いた。TR=2秒、TE=20ミリ秒、フリップ角=90度、ボクセルの大きさ=3x3x7立方ミリ。記憶検索時の各認知成分に対する脳の活動を分離することは、記憶から検索しようと努力しているときと、記憶からの検索に成功したときのそれぞれに予想される脳の血流変化の時間経過をモデルとして立て、それを説明変数とし、機能的核磁気共鳴画像法で計測された脳の各部位の血流変化の時間経過を目的変数として、重回帰分析を行うことによりなされた。これにより、記憶からの検索に成功したときには、左の背外側前頭前野と、両側の前帯状回皮質が活動していることが示された。これらの領域は、被検者が記憶からの検索をあきらめたときには活動していなかった。また、記憶から検索しようと努力しているときには、左の背外側前頭前野、左の下部前頭回、前帯状回皮質、両側の運動前野、両側の上側頭回などに活動が見られた。
|
Research Products
(5 results)
-
[Publications] Kikyo H, Ohki K, Sekihara K.: "Temporal characterization of memory retrieval process : an fMRI study of the 'tip of the tongue' phenomenon"European Journal of Neuroscience. 14. 887-892 (2001)
-
[Publications] Ohbayashi M, Ohki K, Miyashita Y.: "Transient activities related to linkage of sensory information and saccade preparation in the monkey frontal cortex"Society for Neuroscience Abstracts. 28. 575.11-575.11 (2001)
-
[Publications] Hayashi T, Ohki K, Uchida I, Kanazawa I, Miyashita Y.: "Modulation of prefrontal activity by memory load in visual working memory: an fMRI study"Society for Neuroscience Abstracts. 28. 782.3-782.3 (2001)
-
[Publications] Kikyo H, Ohki K, Ishiura H, Sekihara K: "Neuroimaging study of memory retrieval process using the 'tip of the tongue' phenomenon"Society for Neuroscience Abstracts. 28. 639.16-639.16 (2001)
-
[Publications] Kikyo H, Ohki K, Ishiura H, Sekihara K: "Temporal characterization of memory retrieval process: a fMRI study of 'tip of the tongue' phenomenon"Neuroimage. 13. S693-S693 (2001)