2002 Fiscal Year Annual Research Report
網膜アマクリン細胞の樹状突起における活動電位の発生とシナプス出力制御
Project/Area Number |
13780657
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
小泉 周 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (10296551)
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Keywords | 網膜 / アマクリン細胞 / 介在神経 / 樹状突起 / 活動電位 / 持続性脱分極 / シミュレーション / Na電流 |
Research Abstract |
網膜アマクリン細胞の樹状突起上を広がる電気信号について二本同時パッチクランプ法を用いて記録を行い、さらに、コンピューターシミュレーションを用いて解析を行った。パッチクランプ法のための標本として、ラット培養網膜アマクリン細胞を用いた。 (1)樹状突起上を広がる電気シグナルとして、活動電位と持続性脱分極があった。両者ともTTXの投与によって抑制された。電位固定法による解析により、活動電位の発生には一過性Na電流が、持続性脱分極には持続性Na電流が関与していることが明らかとなった。 (2)樹状突起にパッチクランプ法を施し弱い電流注入を行うと、持続性脱分極が発生した。樹状突起に強い電流注入を行うと樹状突起に限局した活動電位の発生が認められた。 (3)樹状突起へのシナプス入力がどのように細胞全体に広がっていくかをコンピューターシミュレーションを用いて解析を行った。弱いシナプス入力に対しては、刺激をうけた樹状突起に限局した電位上昇のみが認められた。シナプス入が閾値を越えた場合、樹状突起で樹状突起に限局する活動電位が発生した。さらに強い刺激では、樹状突起で発生した活動電位が細胞体に伝わり、細胞体であらたに大きな活動電位を発生させた。細胞体で発生した活動電位は細胞全体に広がっていった。 以上により、アマクリン細胞では、シナプス入の強さによって、電気信号の伝わり方、広がり方が異なることが明らかとなった。
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Research Products
(1 results)