2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13780676
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
松本 義伸 長岡技術科学大学, 工学部, 助手 (00272873)
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Keywords | 振戦 / パーキンソン病 / 本態性振戦疾患 / 振戦周波数 / 鑑別支援 / 振戦疾患 / 振戦加速度 / バイオフィードバック |
Research Abstract |
振戦疾患の鑑別支援及び振戦抑制訓練システム開発の目的で以下の研究を行なった。 1.振戦疾患の鑑別支援システムの開発 パーキンソン病(PD)、本態性振戦疾患(ET)などの振戦疾患を有する患者の両手母指基部に加速度計(TEAC製612ZS)を装着した。PD患者16名、ET患者22名および健常高齢者11名を対象に被験者に3種類の計測姿勢をとらせた上で上肢振戦加速度を計測し、測定された加速度信号をパーソナルコンピュータ(PC)上で解析した。その結果、鑑別パラメータとして加速度実効値、推定周波数の各計測姿勢での値を比較することにより、今回計測した患者群では最高80%の姓判別率を得ることができた。特に振戦重症度が軽度である対象が多かったにもかかわらず、他界性判別率を得たとことから、PD早期鑑別支援システム構築の可能性が見出されたといえよう。 2.振戦抑制訓練システムの開発 PD患者36名、ET患者12名を対象に上腕のリラックス指小前後の上肢振戦加速度を計測した。計測には我々が構築した、振戦抑制訓練システムを用いた。本システムは被験者の上肢振戦を計測する加速度計(TEAC 612ZS)と加速度信号増幅アンプ、およびアナログ-デジタル変換のためのADカード(National Instruments DAQ-Card6024E)及び解析用PCからなる。本システムを用いて、得られた加速度波形をFFT解析し4-6Hz周波数帯域のピーク周波数値(LF)とピーク強度(L)、および6-10Hz周波数帯域のピーク周波数値(HF)とピーク強度(H)を抽出した。この結果、PD患者におけるYahrの重症度とHFとに相関がみられ、HFが患者の内部状態を評価する指標として有効である可能性が示唆された。また、PD振戦の重症度はLと高い相関があり、これらHFLを組み込んだ被験者重症度評価システムは、振戦抑制訓練の訓練効果を評価する機器として有用であると考えられる。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 小山亮一, 寺西美代子, 松本義伸, 塩田宏嗣, 川瀬康裕, 田村正人, 岡田清, 福本一朗: "ニューラルネットワークを用いた新しい振戦疾患鑑別支援システムの基礎研究"医用電子と生体工学. 39・特別号. 547 (2001)
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[Publications] 寺西美代子, 小山亮一, 松本義伸, 川瀬康裕, 塩田宏嗣, 福本一朗: "振戦誘発法を用いた振戦疾患鑑別支援システムの研究"医用電子と生体化学. 39・特別号. 394 (2001)
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[Publications] 松本義伸, 小山亮一, 寺西美代子, 塩田宏嗣, 新保暁, 田村正人, 福本一朗: "バイオフィードバック訓練のための振戦特徴抽出"医用電子と生体工学. 39・特別号. 298 (2001)
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[Publications] 松本義伸, 小山亮一, 高井俊輔, 塩田宏嗣, 新保暁, 福本一朗: "振戦加速度波形の周波数解析による振戦疾患評価の研究"長岡技術科学大学研究報告. 23. 93-97 (2001)
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[Publications] 松本義伸, 小山亮一, 高井俊輔, 福本一朗, 塩田宏嗣, 新保暁, 田村正人: "振戦加速度波形の周波数解析によるバイオフィードバック指標の検討"第29回日本バイオフィードバック学会総会 プログラム・抄録集. 18 (2001)