2001 Fiscal Year Annual Research Report
培養神経幹細胞および遺伝子導入線維芽細胞を用いた末梢神経再生の研究
Project/Area Number |
13780679
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
日比野 祥敬 名古屋大学, 医学部, 助手 (90324441)
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Keywords | 末梢神経 / 人工神経 / ティッシュエンジニアリング / 神経再生 / 生体吸収性チューブ |
Research Abstract |
近年、手術や外傷などにより末梢神経が切除された場合の再建方法の一つとして自家神経移植に代わりティッシュエンジニアリングを用いた神経再生の方法が期待されている。今回われわれは、細胞組込型人工神経の開発のため、生体吸収のコラーゲン製のチューブ作製し、移植後の切断された神経の再生に及ぼす影響について検討した。 作製したチューブは、ウシI型アテロコラーゲンよりなる不織構造のチューブで、内径1.0mm、全長10mm、表面のコラーゲン厚さ0.5mmとした。チューブ内を中空にしたものを(仕様1)、チューブ内をコラーゲン線維で満たしたものを(仕様2)とし、(仕様2)には神経増殖因子(NGF)を添加したものも作製した。移植は全身麻酔下にWistar系雄性ラット5週齢の左側脛骨神経のみを7mm切除し、同部にコラーゲンチューブを縫合した。対照群として同種脛骨神経移植群、および欠損のみの群を作製した。 評価方法としてはWalking Track Analysis(WTA)および神経繊維に特異的に反応するPGP9.5を用いた組織学的評価を行った。 この結果、術後3週のWTAではNGF使用群において早期の改善傾向が認められた。また、術後8週においてはその他のチューブ移植群でも欠損のみと比較し有意に早い回復が認められた。組織学的評価においてコラーゲンチューブ移植群では移植後16週において、中枢側から末梢側にかけたPGP9.5陽性線維が観察でき、神経線維の再生が示唆された。一方、欠損のみの対照群では、神経断端は末端神経腫様の構造を呈しており、神経線維の連続性は全く確認できなかった。 今回の結果より、われわれの用いたコラーゲンチューブは移植後16週目までに神経線維の再生を促進することが確認できた。この所見は同種神経移植にはやや劣るものの、対照群が全く神経の連続を認めなかったことと比較すると、その効果については明らかであった。 今後、これらのチューブ内に神経細胞、神経増殖因子や遺伝子導入を行った細胞を組み込みより高性能な人工神経の検討を行っていく予定である。
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