2001 Fiscal Year Annual Research Report
徐放性細胞増殖因子と人工細胞外マトリックスとを用いた筋組織の再生医工学
Project/Area Number |
13780680
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
山本 雅哉 京都大学, 再生医科学研究所, 助手 (10332735)
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Keywords | 徐放化細胞増殖因子 / 筋組織再生 / 人工細胞外マトリックス / 生体吸収性ハイドロゲル / 生体組織工学 / ゼラチン |
Research Abstract |
筋組織を再生するために異なる二つのアプローチを試みた。すなわち、心筋細胞を虚血性心筋梗塞モデルラットの心筋内へ移植するアプローチ、ならびに筋芽細胞と細胞外マトリックスとを複合化した後、マウスの背部皮下へ埋入するアプローチである。いずれのアプローチにおいても、血管新生や筋芽細胞の増殖を促進するために、まず、塩基性線維芽細胞増殖因子(bFGF)および肝細胞増殖因子(HGF)を生体吸収性マトリックスより徐放化するシステムを設計した。 細胞増殖因子の徐放化システムとしてゼラチンからなる生体吸収性ハイドロゲル微粒子を作製した。種々の濃度のグルタルアルデヒド水溶液でゼラチンハイドロゲルを化学架橋することによって、異なる生体吸収性をもつ微粒子を得た。放射ラベル化した細胞増殖因子を含有したハイドロゲルをマウス背部皮下へ埋入したところ、ハイドロゲルの生体吸収性を変化させることによって、細胞増殖因子の徐放性を変化させることができた。 ラット胎児心筋からコラゲナーゼ消化法により単離・培養した、心筋細胞と徐放化bFGFシステムとを組み合わせてラット虚血性心筋梗塞部へ埋入した。その結果、徐放化されたbFGFにより血管新生が誘導され、良好な血流をもつ移植床においてのみ心筋細胞が生着し、有意な心機能の改善が認められた。次に、株化された筋芽細胞であるC2C12細胞と徐放化HGFシステムおよびC2C12細胞の足場としてマトリゲルとを組み合わせて、ヌードマウスの背部皮下へ埋入することによって、異所性の筋組織の再生を試みた。その結果、徐放化HGFシステムを利用することによって、埋入部に組織の形成が認められた。ヘマトキシリン-エオジン染色ならびにデスミンの免疫染色を行ったところ、形成された組織中に筋組織の含まれることがわかった。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Sakakibara, Y, Nisimura, K., Tambara, K., Yamamoto, M., LuF, Tabata, Y., Komeda, M: "Prevascularization with gelatin microspheres containing basic fibroblast growth factor enhances the benefits of cardiomyocyte transplantation"J. Thorac. Cardiovasc. Surg. (In press). (2002)
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[Publications] Yamamoto, M., Sakakibara, y., Nishimura, K., Komeda, M., Tabata, Y.: "Improved efficacy in cardiomyocyte transplantation for myocardial infarction therapy through prevascularization induced by controlled release of basic fibroblast growth factor"Proceedings of the 5^<th> Asian Symposium on Bimedical Materials (ASBM5), Jack CY Cheng and Y Leng Eds., Hong Kong. 469-474 (2001)