2001 Fiscal Year Annual Research Report
ランタノイド金属イオンの発光を利用した遺伝子発現モニターリングシステムの開発
Project/Area Number |
13780686
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
末田 慎二 九州工業大学, 情報工学部, 助手 (00325581)
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Keywords | 遺伝子発現 / ランタノイド金属イオン / リポーター分子 |
Research Abstract |
ランタノイド金属イオンの発光を利用した遺伝子発現モニターリングシステムの構築を目指して、本年度は以下のような検討を行なった。まず、発現確認を行なうモデル系を構築するために、何種類かの遺伝子を市販のベクターDNAに組み込み、タンパク発現ベクターを構築した。モデルとなるタンパク質としては、ピルビン酸カルボキシラーゼ(130kDa)、ビオチンカルボキシラーゼ(50kDa)、グルタミナーゼ(25kDa)等の分子量の異なるいくつかの酵素を選んだ。これらの酵素はすべて酵素活性の測定法が確立されており、リポーター遺伝子導入による活性の影響を調べることが可能である。また、市販のベクター遺伝子としては、pTrc99AやpET等のタンパク質高発現ベクターを利用した。いずれ系についても予想通り、目的のタンパク質を大量に発現させることに成功した。 一方で、リポーター分子として機能するアミノ酸とランタノイド金属イオンの発光挙動についても検討を行なった。アミノ酸については光増感剤として機能することが期待される芳香族系のアミノ酸について注目し、ランタノイド金属イオンについてはこれまで発光が確認されているテルビウムイオン、ユウロピウムイオン、サマリウムイオンに注目した。その結果、金属イオンに関してはテルビウムイオイオンについて紫外部領域(250〜300nm)の光励起に基づき、顕著な発光が確認できた。また、アミノ酸については、検討したものの中ではチロシン、フェニルアラニン、トリプトファンについて発光が確認できた。チロシンに関しては溶液のpHに依存して蛍光挙動が大きく変化することがわかった。
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