2002 Fiscal Year Annual Research Report
ランタノイド金属イオンの発光を利用した遺伝子発現モニターリングシステムの開発
Project/Area Number |
13780686
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
末田 慎二 九州工業大学, 情報工学部, 助手 (00325581)
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Keywords | 遺伝子発現 / ランタノイド金属イオン / リポーターアッセイ |
Research Abstract |
昨年度の検討に基づいて、リポーター分子となり得るペプチド分子の設計を行った。光増感剤としてはチロシンが有望であることがわかったので、チロシンを配列内に組み込んだモデルペプチドを合成した。その配列としてはひとまず水溶性とランタノイド金属との錯形成能を重視して、EGEGEGTGEGというようなグルタミン酸とグリシンを組み合わせた配列を検討した。このペプチドのランタノイド金属イオン共存下での発光挙動を検討したところ、テルビウムイオン共存下で顕著な発光が確認できた。次に、遺伝子発現のモデルシステムとして、RKI1の発現系を選び、RKI1のC末端に上記のペプチドを繋げたタンパク質を発現させることにした。そのためにまずその発現プラスミドの作成をおこなった。まずRKI1の遺伝子をpET発現ベクターに組み込み、その末端に上記のペプチドをコードするDNA断片を組み込んだ。このプラスミドで大腸菌を形質転換し、発現確認を行ったところ、目的とするタンパクが大量に発現していることがわかった。このタンパクの酵素活性を測定した結果、野生型と同様の活性を保持していることがわかった。また、テルビウムイオンを共存下で発光挙動の確認を行ったところ、テルビウムイオンに特徴的な発光バンドが確認できた。しかしながら、その発光強度はペプチドの場合よりも低下していることがわかった。これは金属イオンがリポーター部位よりもタンパク質の他の部位に結合するためであると考えられた。そこでより金属イオンとの錯形成能が高くしかも発光強度の強いペプチド配列を探すことを目的として、ランダムな配列のDNA断片を作成した。それを発現プラスミドに組み込み大腸菌に形質転換し、多種類のアミノ酸配列をリポーター分子として有するタンパク質を同時に発現させることを試みた。しかし残念ながらリポーター分子として有望な配列を持つタンパクは得られなかった。
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Research Products
(1 results)