2001 Fiscal Year Annual Research Report
脊髄損傷者の簡易型FES下肢運動負荷装置の開発とその有効性
Project/Area Number |
13780689
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Siebold University of Nagasaki |
Principal Investigator |
村木 里志 県立長崎シーボルト大学, 看護栄養学部, 講師 (70300473)
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Keywords | 脊髄損傷者 / 麻痺筋 / 膝伸展 / エネルギー消費 |
Research Abstract |
平成13年度は脊髄損傷者が座位(可能なら車椅子上)で、大腿四頭筋のみを繰り返し収縮させる簡易型FES運動装置(FES-TYPE1:仮名)の開発とその有効性を検討することである。 まず、平成13年1月から実施しているFESサイクリング運動(最も効果が優れているFES麻痺部下肢運動)の研究のなかで、酸素消費量を分析した。その結果、およそ700ml/minの酸素消費が可能となり、長時間継続することができた。これは車椅子走行のエネルギー消費を上回る値である。尚、この運動は左右の3筋群(殿筋、大腿四頭筋、ハムストリング)を収縮させるため、本研究で目指す簡易型装置はこの半分の酸素消費(350ml/min)を目指すことにした。 次に簡易型FES装置(大腿四頭筋のみの場合)を試案するための、実験機器体制を整えた。パーソナルコンピューター、刺激装置、膝関節角度計測器を結ぶシステムおよび膝関節角度により刺激を制御するプログラム(Labview)を学習しおえ、近日中にそのプログラムが完成する。 また、健常者を対象とし、座位姿勢で膝伸展運動が起きるよう大腿四頭筋に電気刺激を与え、エネルギー消費量を多くするための運動様式((1)左右脚の動作と(2)収縮リズム)について検討した。脊髄損傷者は膝伸展をする筋力がない可能性が高い。そのため、健常者には膝伸展を繰り返すことができる最低限のパルス強度で実施し、シミュレーションを行った。電気刺激はパルス幅200〜300μsec、周波数35Hz、膝伸展角度は45度とした。その結果、膝伸展運動は左右交互でも同時でも大きな差は見られなかった。収縮リズムは今後検討する余地はあるが、1〜2秒収縮、1〜2秒弛緩の繰り返しが現在のところ有力である。酸素消費は300〜350ml/minであり、トレーニングすることで筋力が向上し、錘などをつけて行えば、さらに酸素消費が増えることが期待され、本装置の有効性についても期待できた。
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