2001 Fiscal Year Annual Research Report
徴細加工技術による心筋細胞への配向性の付与と3次元培養法の確立
Project/Area Number |
13780693
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
清水 達也 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (40318100)
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Keywords | 心筋細胞 / 配向性 / 細胞シート |
Research Abstract |
本研究では培養皿表面の親水・疎水の温度による変化や微細なパターン化により培養心筋細胞の形態制御やマニピュレーションを行い、重症心不全に対する移植心筋組織創成のための基盤技術を確立することを目的としているが、本年度はシート状心筋細胞の脱着・重層化ならびに心筋細胞への配向性の付与を可能とした。シート状の心筋細胞シートの作製には、温度応答性高分子イソプロピルアクリルアミドを電子線を用いグラフトした培養皿を用いた。培養温度である37℃では細胞接着性であるが、32℃以下の低温処理にて細胞非接着性となり細胞が脱着、蛋白分解酵素使用時のような細胞間接着に解離は生じることなく維持されるためシート状の心筋細胞が回収可能となった。この心筋細胞シートを積層化したところ心筋細胞シート間に電気的結合が生じ同期して拍動することが示された。これは、心筋細胞シートをさらに重層化することにより、同期して拍動するより厚い心筋組織をつくりうることを示唆する結果であった。次に、心筋細胞に配向性を付与する目的で、温度応答性および細胞非接着性表面のストライプパターンを作製した。すなわち、温度応答性培養皿上にストライプ状のマスクパターンを使い、高親水性のアクリルアミドをストライプ状に電子線重合した。この表面に心筋細胞を培養したところ、心筋細胞が温度応答性の表面にのみ接着、細胞が一方向にしか伸展できず配向性を獲得した。低温処理を行ったところ、配向した糸状の心筋組織が脱着、長軸方向に収縮弛緩した。 本年度の研究では、100μm幅のパターンを作製し研究を行ったが次年度は種々の幅のパターンを作製、心筋細胞の配向性とパターン幅の関連を解析する。また、培養皿内に多数のストライプパターンを作製しスケールアップしたものを作製、低温処理にて配向性を持った心筋細胞シートを作製、重層化技術との融合により3次元配向心筋組織の構築を試みる。
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