2002 Fiscal Year Annual Research Report
前・中期旧石器時代の遺跡の重要性の評価方法等についての調査研究
Project/Area Number |
13800009
|
Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
矢島 國雄 明治大学, 文学部, 教授 (70130838)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小野 昭 東京都立大学, 人文学部, 教授 (70000502)
春成 秀爾 国立歴史民族博物館, 教授 (20032708)
小林 達雄 國學院大学, 文学部, 教授 (70119048)
松藤 和人 同志社大学, 文学部, 教授 (90288598)
白石 浩之 愛知学院大学, 文学部, 教授 (50329596)
|
Keywords | 捏造 / 前期旧石器 / 中期旧石器 / 検証 / 火砕流 / 座散乱木遺跡 |
Research Abstract |
平成13年度に実施した宮城県座散乱木遺跡をはじめとする各地の前期・中期旧石器の検証結果については、『日本考古学協会前・中期旧石器問題調査研究特別委員会報告(II)』に報告した。 今年度は、座散乱木遺跡の検証発掘調査を実施するとともに、岩手県ひょうたん穴遺跡の検証発掘調査、仙台市山田上ノ台遺跡の検証を含む発掘調査に協力し、また多賀城市および宮城県による管内の前期・中期旧石器資料の検証に協力した。 この結果は、座散乱木遺跡の出土資料は、既報告のとおり捏造の疑いの濃いものであったが、13層・15層については、過去の出土状況からすれば当然追加資料が期待できるにもかかわらず石器の出土は皆無であり、その包含層である安澤火山灰下部は一体の火砕流堆積物であるとの調査結果からも、全面的に捏造されたものと判断された。また、既存の6〜8層出土資料も捏造と判断されたが、今回の検証発掘調査により数は少ないが真正の資料も得られている。自然科学的な分析調査は、地形・地質、年代や利用石材の岩石学的調査を行った。詳細は現在調査中の報告書にゆだねるが、縄文草創期とされた土製品は、熱ルミネッセンス法による分析からは江戸時代の所産と判定された。 ひょうたん穴遺跡、山田上ノ台遺跡についても、中期旧石器とされたものは捏造と判断された。さらに宮城県域における前・中期旧石器時代の遺跡はすべて捏造と判断されたほか、旧石器時代とされた129遺跡が捏造と判断される結果となった。
|
Research Products
(1 results)