2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13834003
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
中里 至正 東洋大学, 社会学部, 教授 (30058036)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 寿一 科学警察研究所, 補導研究室, 室長
松井 洋 川村学園女子大学, 文学部, 教授 (00095465)
松本 恒之 東洋大学, 社会学部, 教授 (10058018)
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Keywords | 非行抑制要因 / 国際比較研究 / 道徳意識 / 愛他意識 / 価値観 / 恥意識 / 親子関係 |
Research Abstract |
1.目的:本年度の研究の主たる目的は以下の3点に要約される。 (1)昨年度の国内調査のフォローアップ調査をして、非行抑制要因としての道徳意識、愛他意識、価値観、恥意識の機能を再確認する。 (2)親子間の対応のとれた親子関係調査を国内で実施することによって、親子関係の良否と非行抑制要因の形成との関連を検討する。 (3)アメリカでの調査の実施が、2001年9月11日のテロ事件の関係で遅れていたが、それが今年度になってようやく実施することができた。そこで今年度は、我が国の非行抑制要因の特徴と、その形成と関連する望ましい親子関係のあり方を国際比較を通してより明確に知る。 2.調査対象:今年度の調査の対象は、日本の中学生と高校生年代の若者とその両親で、対象者数は中学生706名、高校生700名とその両親1984名と、アメリカの中学生240名と高校生303名とその両親1016名である。 3.結果の概要:結果を要約すれば、以下のようになる。 (1)道徳意識、愛他意識、価値観、恥意識の強弱は、いずれも非行許容性の強弱と有意に関係している、つまりこれらの要因が非行抑制要因として機能していることが今年度の調査でも確かめられた。 (2)道徳意識、愛他意識、価値観、恥意識の強弱は、親子関係の良否と有意に関係している。このことが、今年度に実施された親子間の対応がある調査によってさらに確かめられた。 (3)これらの結果を、アメリカとトルコの結果と比較すると、我が国の場合は、親子関係が非常に思わしくなく、そのことが日本の子どもたちの非行抑制要因の形成を妨げているということが明らかになった。
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Research Products
(1 results)